2009年 04月 27日

仮説と仮説の論戦

科学はいつまでたっても仮説なんです。そこが宗教と違うところです。

宗教は仮説ではなくて絶対なんです。経典に書いてあること、神や預言者の言ったことが絶対なのです。

ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因で痛みがおきているというのももちろん仮説です。

筋筋膜性疼痛症候群ももちろん仮説です。

どちらの仮説を信じて治療したほうがいいかは、やはり議論をする必要があると思います。どちらの仮説がより矛盾がなく、いい結果がでるか、また危険を伴わないか、経済的時間的パフォーマンスはよいか。

以下、はるさんのコメントからです。

私も柔軟な頭で考えてみましたが、どうしてもヘルニアや狭窄で神経を圧迫しても痛みが生じるはずが無い事は無いという考えになってしまいます。先生すみません。もちろんいくつかMPSに当てはまりますが、ヘルニアが無害とは理解出来ません。

いくら名医でも直らない患者もいるでしょうし数%は改善されないとありますが、だからと言って大多数の患者が、ヘルニア除去、神経除圧で見違えるように良くなっているわけですから、とても全身麻酔等々とは考えられません。


手術をしなくても見違えるほどよくなる人がいるのもご理解しましたね。

慢性疼痛は生物・心理・社会的な疼痛症候群といわれています。不安、抑うつ、社会的立場など多彩な要素がからんだ疼痛症候群なのです。

「慢性疼痛はどこまで解明されたか」「痛みのケア」「痛みを知る」「疼痛学序説」などの著書が参考になるでしょう。

手術は最大のプラセボとも言われています。儀式的効果はあると思います。どのような痛みの治療でもこれは言えることです。達成感、不安の解消はあると思います。また手術時に使う筋弛緩剤の効果も想像できます。そのようなことで、筋肉の緊張(スパズム)がとれてしまっても不思議ではありません。

そもそも神経根が圧迫されて痛みが生じているという生理学上の説がありません。神経根の所で生じた痛みの電気信号が脳に到達しているということなんですが、下腿などの圧痛点はなぜなのか説明不可能なんです。

たとえ筋肉が原因だったとしても、耐えられないような筋肉のコリや筋萎縮が全身麻酔では取れないと思います。あちらこちらに痛みが移動するような脳の勘違いなら分かりませんけど。先生のお墨付きがもらえるなら、私ならリスクを負ってでも全身麻酔だけで直るならやりますけどね。


そのとおりです。だから手術をしても治らない人がいっぱいいるのです。

脊髄は圧迫されても症状が無い場合が多いようですが、脊髄圧迫による下肢の麻痺は結局ヘルニアや狭窄による圧迫が原因ですよね?ならヘルニアや狭窄の画像診断はほっとけませんよね???

私は神経根圧迫は傷みも痺れも関係していると思っていますが、頚部の巨大なヘルニアにより脊髄も神経根も圧迫されれば、痛みと麻痺は同時に起こる可能性もあるのではないでしょうか?


痛みとは生理学上どういう現象なのか麻痺とは生理学上どういう現象なのかを勉強することから始めてみてください。

私はヘルニアが全部無害だとは言っていません。脊髄のあるところでは少数ですが脊髄麻痺が生じることがあります。腰では少数ですが馬尾型という麻痺性疾患があります。これは疼痛がおきないと書かれています。
いずれもとても少ないものですが、このような麻痺は疼痛性疾患ではありません。

このブログの常連さん、ひつまぶしさん、TKさん、エリーさん、ケイしゃん、シャルルさんもそうでしたか、頚椎にヘルニアがあります。私が診断したところ、MPSかFMでした。皆さん、脊髄麻痺がおきるかもしれないといって、スキーやその他のスポーツの禁止をされているわけではありません。

先日、お見せしたむち打ち症の人のグループとボランティアの健常者のグループは同じ割合で頚椎ヘルニアがみつかったとのことでした。

ボランティアの人でたまたまヘルニアの見つかった人は脊髄損傷の可能性を背負って生きていかなければいけないのでしょうか?そんな罪作りな話はありませんね。

余計な事かもしれませんが、加茂先生の問題提起が胡散臭い医師免許を持たない代替治療家の発言なら問題無いのでしょうが、整形外科の医師の発言ならそのような代替治療家を益々付け上がらせふざけた保険請求による国民の医療費負担を膨れ騰がらせませんか?

画像診断も出来ない者が、手術の有無を決めるような事があってはいけません。私は脊髄や神経根圧迫は非常に怖いと思っていますので、手術で良くなるにも関わらず、そのような胡散臭い代替治療家に任せ取り返しがつかなくなるような事がないように、もっともっと公な機関で発言していただきたいものです。

もちろんこちらに来る代替治療の皆さんはちゃんとした治療をされていると思いますが、素人の意見ですすみません。どうしても最初の診断、または過程で神経の圧迫と痛みは関係があるとしか思えませんので堂々巡りになってしまいました。


高齢者に多い腰部脊柱管狭窄は診断基準すらできていません。ですから、病院によって手術するしないについて見解の相違があり、整形外科医の間でも十分なコンセンサスが得られていません。外科医から手術を勧められた患者さんへの対応ですが、手術は考える必要はないだろうとお話してください。(FILE446)


これはあの脊柱管狭窄症診断サポートツールの作成にあたった先生が書かれたものです。

多くの患者と外科医が抱く、大きな椎間板へルニアを切除しなければ破減的な神経学的症状の結果を招くことになるであろうとの懸念は、全くの杞憂である」。Carragee博士は、「手術を受けるか受けないかの選択はつまるところ患者の好みの問題になる」と述べている。(FILE510)


結局、ヘルニアにしても脊柱管狭窄症にしても診断基準がないばかりか、手術の判断なんて何も合意が形成されていないのです。麻痺は別問題ですよ。

一方、MPSにしてもFMにしても、一応、診断基準(分類基準)が作られているのです。私はその診断基準に沿って診断しているのです。

疼痛性疾患で画像診断が手術の決定に役立つという報告をみたことがありません。

医師の説明や治療に納得がいかないので代替治療を利用する人が多いように思いますが。
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by junk_2004jp | 2009-04-27 13:50 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)


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