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心療整形外科

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2009年 04月 28日

医学と仮説

臨床医学はあいまい系科学です。その中でも「痛み」はそうです。

自然科学的、哲学的、個人的、社会的、いろいろな要素がからんでいますね。

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「ヘルニアが神経を押さえて痛い」という仮説は矛盾が多くとても信用できる仮説ではありません。一時、そうなんだ!と皆が思ったことは事実なんですが・・。

「痛みの本態は筋肉のspazmなんだ。」という仮説のほうが、いろいろなことを説明するのに矛盾がないのです。そしてその説に従って治療したほうが、安全、簡単、廉価、肉体的心理的負担が少ない、副作用も少ないのです。

筋性疼痛がすべて分かっているわけではありません。

慢性疼痛の多くは筋性疼痛で、どうして慢性化したり、広範囲に広がることがあるのか・・・

このようなことは、痛みの生理学者の研究に期待しましょう。臨床家はその知見に基づいて治療すべきです。

仮説を発表することは学者は名誉、地位、生活が絡んでいます。一方、私のような一開業医は気楽なものですね。

私が仮説をたてたのではなくて、MPSという仮説を皆さんに知ってもらおうとしているだけなのです。

ヘルニア派とMPS派が朝まで生テレビのように激論を戦わせること皆さんも見てみたいと思われるでしょう。

あまりにも影響が大きいのでゆっくりと変わっていけばいいと思います。

by junk_2004jp | 2009-04-28 18:44


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