第82回日本整形外科学会(メディカル・トリビューンより)
腰痛に心理社会的要因が強く関与
福島医科大学整形外科の紺野愼一教授は,成人4,500人を対象とした質問票調査から,日本人の腰痛には心理社会的要因が強く関与していることを報告。この関連性はドパミンシステムによって説明できると,その機序を解説した。
ドパミンシステムによって説明
紺野教授らは,層化二段無作為抽出法で選出した全国の成人4,500人を対象に,腰痛に関する質問票調査を実施した。腰痛はL2,L3から臀部にかけた痛み,かつ過去1か月間に24時間以上続く痛みを腰痛と定義。VAS,年齢・職業などの個人属性,腰痛特異的QOL〔Roland Morris Disability Questionnaire(RDQ)日本語版〕,包括的健康関連QOL〔SF-36,Japanese Perceived Stress Scale(JPSS)〕,心理社会的要因に関する項目について調査した。
その結果,痛みとは独立してRDQが著しく高い群の特徴として,ストレス,抑うつ,過度な仕事,仕事に対する満足度が低い,同僚との関係不良が挙げられた。腰痛の危険因子は,年齢,家族歴,喫煙,運動あり,職業あり,自覚ストレス,うつ度,職業関連身体負荷であった。以上から,同教授は「日本人の腰痛には心理社会的要因が強く関連することが判明した」と述べた。
2008年,同科の菊地臣一氏(現・同大学理事長兼学長)は,新しい腰痛の概念として『生物・心理・社会的疼痛症候群』を提唱した。無症状例と比べて,椎間板ヘルニア手術が適応とされる重症例では,神経根の被圧迫度とともに,仕事上のストレスや満足度,不安や抑うつなどの精神要因にも大きな差があるとされる。
ヘルニアの手術適応を述べてみなさい。ここの文章が分からない。いいこといってるんだが・・・ある先生が言っていた・・「中途半端に正しいのがかえってやっかい」