|
2009年 11月 10日
痛みとはexperience(体験)と定義されている。 痛みそのものは現段階では写すことも測ることもできない。 どれだけMRIやレントゲンを撮ろうとも痛みそのものが映ることはない。 痛みの分類に従ってどのカテゴリに入る痛みなのか、つまり「分類」するのが診断なのだ。 ______________ ① 癌性疼痛 ② 神経障害性疼痛(神経因性疼痛)=CRPSタイプ2 ③ 侵害受容性疼痛 とりあえず、臨床医は上記の①②③のうち「この患者さんの痛みはどれにあたるのか?」分類すべきだ。 _______________ 整形外科で診ているほとんどの患者さんは②侵害受容性疼痛になる。 神経障害性疼痛は神経損傷後に痛覚神経が損傷した後に触感神経や交感神経と混線してしまったものでカウザルギーともいわれている。いまのところ有効な治療手段はない。手術で治すということはない。 ______________ 痛みの診断において「画像診断」「血液診断」の意味 「悪性腫瘍、感染症、骨折など明らかな外傷、リウマチ及その周辺の炎症性疾患」を除外するという意味があるのみ。画像診断の意味と限界 これらの疾患は痛みを伴うことがあるが、特異的な病理学所見を有する。 もちろん、これらの疾患にMPSが合併することはよくあること(特に骨折にはMPSが必ずといってもいいほど合併)。 _________________ 悪性腫瘍、神経障害性疼痛でなければ「侵害受容性疼痛」で 除外診断で感染症、骨折など明らかな外傷、リウマチ周辺の炎症性疾患でもなければ そのような「侵害受容性疼痛」は筋性疼痛MPSである。 __________________ 体中にポリモーダル受容器がいっぱいある。かりにno.1~no.1000000個まであってナンバーを打って管理できたとしよう。 除外診断をした後の侵害受容性疼痛は「筋性疼痛(MPS)」といってよい。 「あなたはno.568~986のポリモーダル受容器が感作した疼痛です。」診断はこれでいいのだ。 「とりあえず、その感作しているポリモーダル受容器を止めてみましょう。」・・・・これがTPBだと思っている。 「楽になりました」 しかし、痛みが長く続くと痛みを制御するシステム(疼痛抑制系)が不調になってきて痛みが広がり、TPBをしても鎮火できにくくなっていく(慢性痛症≒線維筋痛症)。 このようになる前に鎮火すればいいのだが、残念ながら慢性痛症になったものには学際的治療が必要となる。 現状は残念ながら、医師が慢性痛症を作る手伝いをしているかのようだ。 ____________________ ポリモーダル受容器は関節粘膜や筋肉筋膜に存在する。 軟骨、半月板、椎間板にはない。(変性した椎間板には痛覚神経が侵入するといわれている) 炎症性疾患(リウマチ、痛風など)は関節粘膜のポリモーダル受容器が感作するがそれを除外すれば極めてほとんどが筋筋膜にあるポリモーダル受容器が感作していることになる。 ポリモーダル受容器がどうして感作するか それは、何度も説明しているところである。「痛みの悪循環のアニメ」 すべり症があるとポリモーダル受容器が感作するという科学的根拠があるのか? 腰椎が不安定だとポリモーダル受容器が感作するという科学的根拠があるのか? 脊柱管狭窄があるとポリモーダル受容器が感作するという科学的根拠があるのか? ヘルニアがあるとポリモーダル受容器が感作するという科学的根拠があるのか? 椎間板変性があるとポリモーダル受容器が感作するという科学的根拠があるのか? 半月板が悪いとポリモーダル受容器が感作するという科学的根拠があるのか? これらは過去60年間続いてきた間違った思いこみだ。 「痛そうに見える」だけなのだ。 痛みのほとんどは筋性疼痛で筋肉のspasm(痙攣痛)という仮説をとったほうがいろいろなことをかなり矛盾なく説明できる。 そして上記の変化は痛みの原因ではなくて痛み(筋肉のspasm)の結果とみたほがよい。 ________________________ 私たちはなんでもかんでもMPSだといっているのではない、上記のように、悪性腫瘍、感染症、骨折、リウマチ周辺炎症性疾患以外はMPSだといっている。 下の世界的な診断基準に基づけばおのずとそういうことになる。この診断基準をみてわかるように画像も血液もなにもでてこない。唯一、圧痛点なのだ。 MPSの診断基準(分類基準)1990 FMの診断基準(分類基準)1990 ![]() MPSとFMは一連の地続きの疾患だと思っている。 ヘルニアと診断されているFMやヘルニアの術後のFMはしばしば診ることができる。 _________________________________ 「なんでもかんでもMPSだと言い張るのはおかしい。MPSはたしかにあると思うがそうでないものもあると思う。」 そう思うのなら、そう思う理由を書いてその鑑別法を書くべきなのだ。思うのは勝手なのだが。 私たちは上記の思考過程をへてほとんどがMPSだと主張している。 MPSはあると思うが脊柱管狭窄症による痛みもあるだろう! そう思うなら鑑別法を書くべきなのだ。 「腰部脊柱管狭窄症診断サポートツール」(私はこの内容に疑問をもっていることは以前に書いた)の編集者の一人、紺野慎一先生(現・福島医大教授)はつぎのように述べている。 高齢者に多い腰部脊柱管狭窄は診断基準すらできていません。ですから、病院によって手術するしないについて見解の相違があり、整形外科医の間でも十分なコンセンサスが得られていません。外科医から手術を勧められた患者さんへの対応ですが、手術は考える必要はないだろうとお話してください。(FILE446) 「坐骨神経痛が分かる本」慶応整形外科教授:戸山芳昭先生著 ![]() この(根性痛)の理由は現在でもまだ十分に分かっていません。しかし、馬尾や神経根が慢性的に圧迫されている状態では、組織障害に伴って、体内にあるさまざまな発痛物質(炎症性産物や神経伝達物質など)が現れます。 いずれも神経根の圧迫によって痛みが生じるとしているが(根性疼痛)、よくわからないので歯切れが悪い印象だ。 「世界筋骨格痛年」が開始 国際疼痛学会がキャンペーン 筋骨格痛のすべてのタイプの痛みは根本的なメカニズム、症状、さらに治療の可能性といった点で共通している。 |
アバウト
LINK
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
カテゴリ
検索
以前の記事
ライフログ
ネームカード
おすすめキーワード(PR)
ファン
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||