心療整形外科

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2009年 11月 13日

100年前の珍説「神経が圧迫を受けると痛い」

いまだにこの非科学、エセ科学に振り回されているのはなぜだろうか?

「神経をさわるとしびれる」「神経が傷つくとしびれる」などもよく言われることだが。

脊柱管サポートツールにも、「高齢者の下肢のしびれは神経の不可逆的変化が起きているので術後も続く」というような記載がある。

「しびれ」は線維筋痛症あるいはうつ状態のときなどにもよく見られ、筋痛症の所見だ。TPBをするとその場で改善することもある。筋肉が張っているための末梢循環障害によるうっ血(あるいは疎血)によるものだ。

神経線維自体は感覚受容器ではない。

ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術をしてもよくならない人はたくさんいる。

健常人でもヘルニアや脊柱管狭窄はよくみられる。

腰痛難民はとてもたくさんいる。さんざんな目にあったのだ。

痛みを科学して、現在できる最善な方法を見つけることだ。

痛みの生理学の進歩は目覚ましく、その最先端では目が離せないとのことだ。

しかし、臨床は遅々としていて、いまだに100年前の説にとらわれている。

手術をしてよくなった人はそれでいいではないか。痛みの本態は「筋痛(筋肉の痙攣)」なのだからどんな方法でも治まることがある。

サーノ博士は著書「ヒーリング・バックペイン」で抑圧された潜在意識に目を向けるだけで多くの人がよくなったことを述べている。ありうることだと思う。

有名な痛みの生理学者は次のように述べている。

神経線維は通常、その末端にある受容器から信号を伝えるものであって、その途中が興奮を起こしたりするようなことはありません。 熊澤孝朗 著 「痛みを知る」




痛覚神経の生理的興奮は、その末梢の自由終末にある痛覚受容器(侵害受容器)が刺激されたときにみられる。自由終末と脊髄を継ぐ部分からインパルスが発生することはめったにない。痛覚受容器を介さず神経繊維からインパルスが発生することを異所性興奮という。異所性興奮を生じる可能性が高いのは、脱髄部および障害された末梢神経の側芽と神経腫である。

脊髄後根を圧迫すると神経根痛(radicular pain)がでて、圧迫された後根の支配領域に痛みが走るとみられている。しかし、この考えは特別な場合にしか通用しない。たとえば、脱髄線維を含む脊髄後根への機械刺激を誘発するが、正常な脊髄神経根の圧迫は痛みを生じない。

実験動物の正常な脊髄後根を圧迫しても、痛みを伝える侵害受容線維を含めた求心性線維の持続的発射活動は誘発されない。 横田敏勝 著 「臨床医のための痛みのメカニズム」




この割合(椎間板ヘルニアの手術)は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。

椎間板ヘルニアの手術は70年以上もの間行なわれてきた。もてはやされたこともあったが、疑問が増し続けている。ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。

以前この手術を熱烈に支持していたマイアミ大学 は、今ではこの手術をやめて、厳密なリハビリテーションのプログラムを採用している。  疼痛学序説 痛みの意味を考える   Patrick Wall著 横田敏勝訳]
Patrick Wallはゲート・コントロールセオリーで著名な生理学者

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by junk_2004jp | 2009-11-13 01:14 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)


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