心療整形外科

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2009年 12月 21日

病名とMPS

私は、**市で鍼灸師をしております****と申します。以前から先生のブログやホームページを拝見しておりました。特に「トリガーポイントで腰痛は治る!」の本はわかりやすくありがたかったです。

今回メールをさせていただいたのは質問したいことがあったからです。

それは、MPSの考え方では、ほとんどの痛みが筋筋膜が原因ということになりますが、現代医学的な鍼灸の本や雑誌を見ると、依然として構造や神経が原因となる疾患があります。以下に書く病名はやはりすべて、MPSなのでしょうか?教えてくださいますか。どうぞよろしくお願いします。


胸郭出口症候群、仙腸関節障害、梨状筋症候群、椎間関節症、伏在神経絞厄障害、手根管症候群などの絞厄神経障害。オスグットシュラッタ―病、後縦靭帯硬化症、肋間神経痛



MPSを診断するには、まず、特異的な病理所見を有する疾患を除外します。それは、悪性腫瘍、感染症、骨折などの明らかな外傷、リウマチとその周辺の炎症性疾患(痛風、脊椎関節炎など)。これらの疾患にMPSが合併することはあります。特に骨折などの明らかな外傷にMPSが合併するのは普通のことです。このような場合は主疾患とMPSは並行して治療すればいいのです。

筋筋膜性疼痛症候群の診断基準 (Simons,1990)
●大基準

局所的な疼痛の訴え

筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感

触れやすい筋肉での索状硬結の触知

索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在

測定可能な部位では、可動域のある程度の制限

●小基準

圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する

圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで得られる局所的ひきつり反応

筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する


診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用

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違った言い方をすれば、線維筋痛症は18か所の圧痛点のうち11か所以上あるものですが、それに至らないものがMPSということです。

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胸郭出口症候群、仙腸関節障害、梨状筋症候群、椎間関節症、伏在神経絞厄障害、手根管症候群などの絞厄神経障害、オスグットシュラッタ―病、後縦靭帯硬化症、肋間神経痛

このような病名がどういう状態を指しているのか、明らかではありません。

痛み系は独立した系なのです。

構造に従属するものではありません。だからいつも痛みは構造と分けて考えるべきものなのです。

胸郭出口症候群、梨状筋症候群、椎間関節症・・・・どういう状態をそう命名するのか、さだかではありませんが、このように言われている病態の痛みやしびれはMPSです。

伏在神経絞厄障害・・・・・神経線維の絞扼性障害ですから、麻痺です。つまりMPSではありません。しかし本当に正しいのか分かりませんね。
痛みの性状がピリピリ、ビリビリ、ジンジン、重だるい、痛みに波がある、全く痛まない時もある、自発痛、夜間痛がある、ひざが重なると痛い、絞扼点に圧痛(内転筋管出口、膝蓋下肢出口)、このような症状ではMPSとなり、麻痺があればMPSではないということなのですか?

そうです。その症状から絞扼性神経障害と診断するのが間違っているのです。MPSそのもので、神経が絞扼されているわけではありません。


手根管症候群などの絞厄神経障害・・・・・手根管症候群は、「正中神経の絞扼性障害」のものとMPSのものが同じ病名が使われていて、話がややこしいのです。参考http://junk2004.exblog.jp/7412543/手根管症候群の多くはMPSだと考えています。だから手術なしでも治るという報告があります。

オスグットシュラッタ―病・・・・・骨端核の使い過ぎ障害です。その痛みはMPSと考えていいでしょう。障害なのか損傷なのかは微妙ですね。私はMPSだと思います。

後縦靭帯硬化症・・・・・後縦靱帯が骨化したことなのですが、無症候なことは稀ではありません。症状がでるとすれば脊髄マヒです。

肋間神経痛・・・・坐骨神経痛でも肋間神経痛でも一般にいわれている病態はMPSです。ただし、帯状疱疹後の肋間神経痛という場合は、神経損傷後の痛みですから、MPSではありません。
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by junk_2004jp | 2009-12-21 20:06 | MPS | Comments(0)


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