心療整形外科

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2010年 01月 17日

根性痛のふしぎ(2)

ある先生の疑問
自分の経験では、TPは神経の存在部位、筋膜通過部、筋間に多く見られる。筋間に神経や血管はある。それらは決して筋断裂の好発部位ではない。腰痛と同時に起こる下肢痛の場合も、都合よく筋損傷や筋病変が起こるとは考えにくい。


「ペイン 臨床痛み学テキスト」より

b0052170_12145320.jpg


◎悪循環モデル
痛みや組織損傷がα運動ニューロン機能に影響を及ぼして筋活動を増加させていることに加えて、痛みがγ運動ニューロンの興奮性に影響を及ぼすことで、筋緊張亢進やスパズムに関与する可能性が示されている。


◎痛み適応モデル
彼らは、侵害刺激により脊髄グループⅡ介在ニューロンの活動が変化し、主動筋の運動単位の活動抑制と拮抗筋の運動単位の活動促進が起こると提言している。


◎新たなモデル
最近、神経筋活動とその制御のパ夕ーンに対して、痛みが及ぼす影響について研究されはじめている。不要な動作を制御するために相助的に働く筋や筋群では、痛みによって抑制や活動の遅れが生じることが示唆されている (Sterling et al 2001)。

これは、機能的動作における運動パターンおよびその動員パターンの変化をもたらす。

通常、関節の安定性を制御するために、その関節で共同して働く深部筋でこの抑制は起こると言われている (Hides et all996,Hodges&Richardson 1996,Voight&Wieder1991)。

腰椎、頚椎の両方で、筋機能不全は椎骨に直接付着する深部筋でみられるようである。これらの筋は椎骨を連結しており、動作発現よりも関節を安定化させるための重要な共働機能を果たしている(Cholewicki etall997)。

これらの筋の制御変化は、痛みや組織損傷によりはじまると考えられるが、 しばしば急性痛の時期を過ぎても持続することがある。そして、多くの筋骨格系の問題が慢性化することにつながる可能性がある。


以上、「ペイン  臨床痛み学テキスト」より引用

私の臨床経験でも、一度ぎっくり腰を起こしてから調子が悪い症例が多い。

たとえば、腰方形筋や多裂筋などがspasmを起こしたのがきっかけになり、殿筋が二次的に影響を受け、次々とspasmを起こす筋がひろがっていくように思える。

この状況は、上の図の二次的に影響を受けたのか、拮抗筋が影響を受けたのか、痛みをかばう姿勢が影響しているのか・・・いろいろ考えられる。

痛みを起こしている筋肉が全部、微小損傷を起こしたと言っているのではない。引き金になった筋肉はあるのだろう。

このような痛みの広がりはデルマトームに沿っていることのほうが稀に思われるのだが。

「ヘルニアの高位と臨床症状が合わない」というようなことを聞くが、それではその痛みはなになのか。

b0052170_22403139.jpgたとえば5・S1のヘルニアのとき、左図のような圧痛点があったとき、デルマトームに合わない圧痛点は無視されるか、椎間板性疼痛などといわれる。
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by junk_2004jp | 2010-01-17 12:15 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(5)
Commented by kim at 2010-01-18 17:38 x
確かにデルマトームに沿った痛みは少ないですね。帯状疱疹くらいですかね。
Commented by しろ at 2010-01-20 09:25 x
ご意見に賛成です。
Commented by 丘宮 at 2010-01-29 09:36 x
私もトリガーポイントを対象に治療を行っている者です。
いつも、治療の参考にさせて頂いています。

私は、腸腰筋を中心とした股関節関連筋が
腰痛の主な要因になるのでは、と考えています。
具体的には、腸腰筋、同側の腰方形筋、同側の大殿筋です。
また、これに関連して、腸腰筋は、同側の腹斜筋、腹直筋へ、
腰方形筋は、反対側の腰方形筋、同側の中小殿筋へ、
大殿筋は、同側の脊柱起立筋、ハムストリング、同側の大腿筋膜張筋へ
それぞれ関連した痛みを起こさせるのではないか、と考えています。
また、この腸腰筋、大殿筋、腰方形筋、の3筋は同時に痛みを発することがよく確認できますが、どの痛みが最も強いかによって、現れる腰痛のタイプが異なって見える様に思います。

以前から、デルマトームで示される領域に疑問を抱いていました。
しかし、トリガーポイントを対象に治療をするようになってからは、
より再現性のある治療結果を得る事ができるようになりました。
先生ご自身、TP内在筋に対する協働筋、拮抗筋への痛みの波及
という部分で、どの様にお考えでしょうか。



Commented by junk_2004jp at 2010-01-30 13:03
どのような規則で広がるのか・・・・

五十肩では後面が痛い人は多くが前面も痛い。

腰も左右が痛い人が多い。

大腿ニ頭筋、ヒフク筋、前徑骨筋などに広がっていることも多い。

肩こり、腰痛、膝痛はセットで痛い人はとても多いですね。
Commented by 丘宮 at 2010-01-30 22:34 x
おっしゃるとおりですね。
五十肩ですと、
肩甲上腕関節の動きを中心に見れば、
棘上筋、棘下筋の痛みには、肩甲下筋、大円筋の痛みが伴うようですし、
上腕二頭筋の痛みには大胸筋が影響を受けながら
棘下筋から三頭筋の痛みが生ずる事が多いように思います。
これは、少年野球肘も同様です。
また、肩胛骨の動きを中心に見れば、
広背筋が腋窩で集結する部分の痛み、大胸筋の腹部から胸肋部の痛みに対し、
僧帽筋上行部、下行部の痛み、を伴うように思えます。
要は、痛みは対になっていて(tp内在筋とその拮抗筋)、
両方が犯されることによって、著しい関節機能障害が
起こるのではないかと愚考するところであります。
また、どちらか片方だけ(特に痛みが強い方)へのアプローチだと、
結局次の日には痛みが戻ってきている、という事態になりはしませんでしょうか。
早期にそれらの痛みを終息させるためには、
前なら後ろ、内なら外の痛みを同時に攻める必要を(何となく)感じている
今日この頃であります。



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