2004年 12月 08日
40歳代、女性、2年前より腰痛、半年前より右股関節部痛。誘因、思い当たらず。 2年前、急に腰痛に襲われ、しばらくは動くのが極めて困難だった。動かれるようになってからマッサージにしばらく通った。 現在、起床時、立ち座り、寝返り、前屈時に痛む。 * 「2年前、急に腰が痛みだしたとき、なにか大きなストレスはありませんでしたか。」 「母が癌だと知ってショックを受けたときでした。」 圧痛点をブロックすると立ち座り、寝返り、前屈が痛くなくできるようになりました。 このように、なにか強い情動的なストレスがきっかけで強い痛みがおきることがあります。それが一過性で治まることもあれば、今回のように習慣化した痛みになることもあります。その予測はたちません。 痛みが長く続くと中枢神経の各機能が関与して 痛み刺激の伝達がパターン化されます。 それには、経験、記憶、不安、注意集中、性格など、あらゆる要素が関与します。心理的、情動的な葛藤(情動体験)が生理的な身体変化を起こすのはきわめて通常の反応ですが、自覚された身体変化に過度な不安や恐怖をいだくと、こんどはそれが情動刺激になってさらに身体変化を強化してしまうという悪循環をつくりあげ、刺激因子を持続化させてしまうことになるのです。これらは、やがては慢性・習慣化された身体反応として固定してしまい、些細な刺激、ときには本人に気付かれもしないような刺激によって、すぐ生じてしまうようなパターン化された身体反応になってしまうものです。 「心で治すからだの病気・心身症に勝つ・」 片山義郎 慶応大学精神神経科 大和書房 1980 どのような方法でもいいですから、「痛みの悪循環」をストップさせることです。このとき痛みがハードの故障だというまちがった考え方をするとだめです。痛みは生理的(ソフト)の不調なのですから治癒します。 別のケースです。50歳代の女性が、3月頃より左膝痛がおきるようになり、時々水が溜まります。 これを軟骨がすり減ったせいだとすると、なぜ左だけなのか?なぜそのときから始まったのかうまく説明できませんね。また50歳以降はほとんどの人が軟骨がすりへった状態なのですが痛くない人もたくさんいますね。 この方はたぶん愛犬が死んだのがきっかけだろうと思っています。愛犬が死んで毎日の散歩をしなくなってより膝が痛くなってきました。本人は散歩をしなくなった運動不足が原因だろうといっていますが、私は愛犬の死という出来事がきっかけだろうと思っています。 体調に変化が生じたときはこのようにストレス、情動、に目を向けて、それが習慣化しないように気をつけることですね。なぜ人によって違ったことが起きるのかは私には分かりません。
by junk_2004jp
| 2004-12-08 17:07
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