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心療整形外科

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2010年 09月 16日

医師の再教育が必要・・痛み疾患

信じがたい話だが...

このような信じがたい話はめずらしくない。

ヘルニアや脊柱管狭窄症で手術を受け悲劇的な結果になった人を何人も診た。

ときどきではあるが、術中に死亡したり、麻痺が生じたりしていることがニュースになっている。

ぜんぜん良くならないどころか、RSD(CRPS)様症状を呈していることがある。

Failed back surgery syndrome

そもそも、神経が圧迫を受けるとその神経領域に痛みやしびれが生じるという説は明らかにまちがっている。

また、軟骨や椎間板や半月板の変性老化が痛みの原因だとする説もまちがっている。

すべり症や古い分離症が痛みの原因だとする説もまちがっている。

このまちがった説でどれだけ多くの人が迷惑していることか。

また医療費の無駄も計り知れない。

急性痛の起きるメカニズムは分かっている。

それが慢性化するメカニズムも分かってきた。

20世紀にレントゲンやMRIが発明されて、我々の先輩医師は「痛みの原因が見えた!」と小躍りしたことだろう。

しかし、この説に基づく治療アルゴリズムは無茶苦茶だ。

また次のような疼痛生理学の多くを無視している。

末梢性感作( peripheral sensitization )

中枢性感作(central sensitization)

構造破綻(老化変性)や神経圧迫が痛みの原因とする医学モデルは失敗でした。

生理学の進歩はその矛盾を明らかにしているし、健常人でもいろいろな変化がみられることはもう常識となっています。

手術による治療成績も非手術の治療成績も変わりがありません。

早期に痛みを遮断することはとても大切なことです。

医師の再教育は是非必要なのですが、学会にもそういう動きはみられません。

だれが再教育するの?

自宅にてのネットによる自習ってところでしょうか。

学会誌より、「わかさ」を読んでもらうのもいいでしょう(笑)。


by junk_2004jp | 2010-09-16 17:42 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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