心療整形外科

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2004年 12月 20日

痛みの定義

痛みの定義   国際疼痛学会   1986年

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験 であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。  (教授 熊澤孝朗)

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腰痛の診断はこの定義に忠実ならば、組織損傷を伴っているか、伴っていないかを診るだけになります。

組織損傷を伴わない腰部の痛み体験(非特異的腰痛)
組織損傷を伴う腰部の痛み体験(骨折、悪性腫瘍、感染症=特異的腰痛)

損傷と痛みは分けて考えたらいいのです。損傷が治ったら痛みも治るという保障はありません。損傷がないからといって痛みがないわけでもありません。

damageの日本語訳ですが「損傷」がいいでしょう。健常人でもみられるような変化は損傷ではなく「変性」または「生来」です。(分離症、すべり症、狭窄症、ヘルニア)

どちらにしても痛みは個人的なexperience(体験)ですから、どのような調査をしても、その時代のその地域の人はそう感じていたということ以外にはありえません。 evidenceはないのです。

組織損傷は整形外科医、痛みは精神科医というのが本来の役割でしょうが、痛みを精神科医が診るという習慣は医師のほうにも患者のほうにもありませんでした。

たとえば、圧迫骨折があったら、骨折の治療は整形外科医、痛みの治療は精神科医+ペインクリニック医のテクニックということになります。

こんなにいろんな科を受診することは一般的ではないですね。ほとんどのことは一人の整形外科医で対応すべきことです。
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by junk_2004jp | 2004-12-20 13:35 | 慢性痛 | Comments(0)


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