2011年 03月 11日

ある医師よりのメール

多くの患者さんも、多くの医療者も、長年、「なにか変だ・・・」と思ってきましたから。

でも、みんな「周りを見回して」何も言わなかった。言えなかった。

患者さんは医者の機嫌が怖いし、医師は周囲や医局や学会の目が怖い。

自分で自分を縛ってがんじがらめになって、できるだけ事実を見ないようにしてきたのだと思います。

画像はそのストレスから逃れるための絶好の道具です。

なにしろ、医学的な「異常」が見えるのですから。

「異常」がみつかると、医師は安心します。

原因と結果との因果関係に不安を感じたとしても、「それが原因ではないことを、完全に否定することは難しい」

「それが原因であることを、完全に否定することは難しい」という、一見、科学的な論法が表面に出てきて、それが「逃げ」や「言い訳」の道具になります。

でも、よく考えてみると、全然科学的ではないんです。

科学的であるならば、可能性の高いものを論理的に選択していくはずですが、いつしか、可能性が低いけれど都合のよいものが巨大になってしまいます。

画像は目に見えるデータですから、科学的にどうか、論理的にどうかよりも、えてして絶対的な(宗教的な)力を持ってしまいます。

要するに、「信じてしまう」のです。

否定しようにも、「おまえは見ただろう?」という声が聞こえます。

はっきりと(医学的な)異常がある、だから症状があるはず、という「はず」の論理(思い込み)になります。

そこに患者さんの強い症状が提示されれば、これ幸いと、それに飛びつくのを抑制するのは難しいでしょう。

「やっぱりそうだ!」と。

否定するには、加茂先生のように謙虚に患者さんに向き合い、絶えず勉強を続ける必要がありますが、それができる医師は少ないです。

もちろん、努力研鑽を積まれている先生は多いですが、「自分が信じていること」の研鑽なので、下手をすると、間違ったことがどんどん強化されてしまいます。

医師は、自分の知識基盤を否定することが難しいです。

プライドもあります。

けれど、医者としての人生で一度くらいは、中立で立ち止まって、よくよく考え直してみてほしいと思います。

なにしろ、「痛み」の問題から逃れられる医師はいないのですから。

この「痛み」の問題は、医者が一皮むけて、大きく成長するきっかけとなる重要なものに違いないからです。

医学界自体を大きく変える力を持つものだと思います。

だからこそ、抵抗も大きいでしょう。


痛みは電気信号です。

最初は損傷(多くは筋肉の微小損傷)に対する警告として発せられます。

損傷の治療と痛みの治療は別問題で、それぞれ並行して行われるべきです。

損傷が治ると痛みも治るというものでもなく、痛みが治ると損傷も治るというものではありません。

ほとんどの場合において、損傷に対して積極的に治療しなくてもいいのです。

半月板、肩の腱板、椎間板などは積極的に治療する必要がないのです。

椎体の圧迫骨折もそうでしょう。

これらは、一回の外力で損傷することもあれば、慢性的な外力によって、ジワジワと損傷される場合もあります。

健常者でもこれらの損傷はみることができます。

警告として発せられた痛みが「痛みの悪循環」の結果、いつまでも続くと「慢性痛」という、新たな病態になってしまうことがあります。

慢性痛とは末梢性感作、中枢性感作が生じたものです。(痛みの可塑性)

「慢性痛」になると、治療に難渋することが多いのです。

この概念は未だ日本の疼痛医療では浸透していません。

したがって、慢性痛に効く薬の保険適応も遅れています。

いまだに椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が原因で神経が圧迫されて痛みやしびれがでると説明されていることが多いのですが、これは生理学的は正しくはありません。
軟骨が減っているから痛いも間違っています。

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by junk_2004jp | 2011-03-11 16:47 | 痛みの生理学 | Comments(3)
Commented by 土酔佐鯨 at 2011-03-13 03:29 x
無能な医者ほどプライドが高く、お金儲けが上手いですね。
日本の医療に科学性はありません!!(日本において英語を理解して、英文論文に目を通している医療者達はそんなにおられないでしょう。)
国民から自主性を奪い、自分達に都合の良い情報だけを流す…健康保険を利用した悪質な不正請求・国民を依存させるやり口。どれを取っても詐欺です。

加茂先生のような医学と患者さんに対して誠実な医師が増えれば、必ず日本の痛みの医療は変わります。国民が自立して考え・行動する事ですね!!

『患者様』と呼ぶ医療者達は詐欺師です。ご注意を。
Commented by junk_2004jp at 2011-03-13 13:11
この問題はみんなで間違えてしまったのです。
早く正して、苦しむ人をなくさなければ。
Commented by ラステット  at 2011-05-16 21:40 x
非常に良い情報を共有していただきありがとうございます、それは右を見て回ると社会恐れている患者さんの気分医師、医師や医療スタッフのを恐れていることになります。


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