心療整形外科

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2011年 03月 29日

急性痛と慢性痛の違い

慢性疼痛学会よりhttp://www.mansei-t.jp/chairman.htm

痛みの定義
痛みとは「実際に組織損傷が起こったか、または組織損傷の可能性があるとき、またはそのような損傷を表す言葉によって述べられる不快な感覚および情動体験」であると定義 されています。


急性痛の定義
痛みというものは、身体に異常が生じたり、異常が生じる可能性があるときに訴えられるものと考えられておりますから、ヒトにとって当然不快な感覚でありまして、決して心地よい感覚であろうはずはありません。それ故、異常な状態が治癒すれば、またその発生の可能性が消失すれば痛みは訴えられなくなるのが当然のことでしょう。


慢性痛の定義
ところが、異常な状態が治癒したにも関わらず、また明らかな異常な状態が存在しないにも関わらず訴えられる痛みが存在し、その苦悩を慢性的に訴え続けるヒトがいることは明白な事実でございます。このような痛みを慢性疼痛と呼んでおりますが、「疾患が通常治癒するのに必要な期間を超えているのにも関わらず訴え続けられる痛み」と定義して良いかと存じます。


わが国での慢性疼痛保有率は13.4%、約1,700万人であり、そのうち700万人は50歳以上であると推測されています。また、それらのうち痛みが和らいでいるヒトは僅か22.4%であり、残りの77.6%は不変であり、65.5%のヒトは治療を受けることを諦めたり、非受診者であるという報告 があります。

慢性疼痛の解決にさらなる努力が必要であることを示す結果であると考えますが、今日のレベルにおいても、以前より遥かに適切な診断、治療が慢性疼痛に対して行えるようになっております。
 


多くの人が慢性痛に悩んでいます。

痛みは構造異常の警告ではありません。

急性痛は組織損傷を知らせるサイン。「組織損傷の可能性があるときも発せられる」とかいてあります。

ところが組織損傷が完全に治癒、不完全に治癒、変形を残して治癒したとしても痛みも治癒するとは限らないのです。

損傷の治療と痛みの治療は別ものと理解してください。

早期から痛みの治療をすることはとてもだいじなことなのです。

骨折が癒合しなかったのを「仮関節の形成」といいますが、仮関節が痛いかどうかは全く分かりません。痛くないことも多いのです。

その逆に骨折が完全に癒合しているのに痛いこともあります。

慢性痛は痛みを知らせる装置のシステムのエラーなのです。

従来から言われている、「軟骨が減っているから痛い」「神経が圧迫されているから痛い」「変形しているから痛い」などは、痛みの学問が未発達だったときの間違った説なのです。

いいかげんにそのことに気づきなさい!

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by junk_2004jp | 2011-03-29 07:58 | 慢性痛 | Comments(2)
Commented by タク at 2011-03-29 22:24 x
>いいかげんにそのことに気づきなさい!

慢性痺痛 VOL.22 No.1 2003 学際的痛みセンターの設立をめぐって 熊澤孝朗 より
☆以下引用_____________________________

何故,日本で痛みへの取り組みが未成熟か?
痛みは医療・医学の原点と言われていますが,先端医療を誇るわが国において,何故,痛みへの取り組みが未成熟か?について考えてみました。
以下,それらの要因を箇条書きに記します。

1.「痛み」への理解の不足。
・痛みが患者のQOLの中で最重要項目であることについての認識が不足。〔医療者側も患者側も〕
・痛みの概念の最近の変革(症候としての痛みとは異なった機序で発生する,病気としての痛み(慢性痛)の存在すること)についての認識が不足。〔特に医師〕
・現時点での,痛みに関する研究の重要性,緊急性に対する認識の不足,助成の不足。
〔社会,特に行政〕
・日本における痛み疾患の実態に関する統計調査と医療経済的視点での推計調査の欠如。〔行政,学界〕
・痛み医療に対する誤った認識(痛みは我慢するもの:モルヒネの使用=末期;精神科的治療への抵抗感など)。〔社会全体〕

Commented by タク at 2011-03-29 22:24 x
2.医療教育の欠陥
・医学部を始めコメディカル領域における痛みに関する教育が確立されていない。
・全ての医療職に対する痛みについての再教育の必要性が認識されていない。
・「痛み」に対するコアカリキュラムが無い。

3.医療社会の縦割り性
・痛みに対する責任診療科の不在(痛みに関係のない診療科は無いが)。
・多診療科の間を結ぶ学際的な医療体制を構築しにくい医療組織形態が温存されている。

4.医療報酬制度の欠陥
・痛み医療のガイドラインが無い。
・薬物療法・手術療法など有形の治療法以外の治療に対する報酬設定に対しての抵抗感。


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