2011年 04月 07日

、痛み医療に対する国家的取り組みを

http://blogs.yahoo.co.jp/pina_12_3/24330587.html









慢性痺痛 VOL.22 No.1 2003 学際的痛みセンターの設立をめぐって 

熊澤孝朗 

☆以下引用_____________________________

何故、日本で痛みへの取り組みが未成熟か?痛みは医療・医学の原点と言われていますが、先端医療を誇るわが国において、何故、痛みへの取り組みが未成熟か?について考えてみました。以下、それらの要因を箇条書きに記します。

1.「痛み」への理解の不足。

・痛みが患者のQOLの中で最重要項目であることについての認識が不足。〔医療者側も患者側も〕

・痛みの概念の最近の変革(症候としての痛みとは異なった機序で発生する病気としての痛み(慢性痛)の存在すること)についての認識が不足。〔特に医師〕

・現時点での、痛みに関する研究の重要性、緊急性に対する認識の不足、助成の不足。
〔社会,特に行政〕

・日本における痛み疾患の実態に関する統計調査と医療経済的視点での推計調査の欠如。〔行政、学界〕

・痛み医療に対する誤った認識(痛みは我慢するもの:モルヒネの使用=末期、精神科的治療への抵抗感など)。〔社会全体〕

2.医療教育の欠陥

・医学部を始めコメディカル領域における痛みに関する教育が確立されていない。

・全ての医療職に対する痛みについての再教育の必要性が認識されていない。

・「痛み」に対するコアカリキュラムが無い。

3.医療社会の縦割り性

・痛みに対する責任診療科の不在(痛みに関係のない診療科は無いが)。

・多診療科の間を結ぶ学際的な医療体制を構築しにくい医療組織形態が温存されている。

4.医療報酬制度の欠陥

・痛み医療のガイドラインが無い。

・薬物療法・手術療法など有形の治療法以外の治療に対する報酬設定に対しての抵抗感。


________________________________

つまり、カルテの開示は要求されるが、私たちは痛みを表す適切な病名もなく、慢性痛の薬もなく、治療指針もなく、保険診療をしているわけだ。

あいかわらず、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で神経が圧迫されて痛いとか、軟骨や半月板や椎間板が損傷しているから痛いなんていっているのが医療現場の現実だ。

急性痛を分かっていないのだから慢性痛もわかっていない。

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by junk_2004jp | 2011-04-07 13:59 | 慢性痛 | Comments(5)
Commented by タク at 2011-04-07 20:26 x
雑誌 調剤と情報 2011 2 Vol.17
特集医師から学ぶ慢性の痛み

海外の事例から考える
慢性の痛みに対する薬物治療
東京慈恵会医科大学附属病院ペインクリニック北原雅樹 

より、以下引用________________________

::薬剤自体の問題

 まず,薬剤自体が日本にまったく導入されていない場合がしばしばある。一般的にドラッグ・ラグといわれる問題である。
 たとえば,メサドン(methadone)は1939年にドイツで開発された医療用麻薬であり,がん性疼痛や慢性痛の治療薬として,およびオピオイド系薬剤の依存症治療薬(methadone maintenance program)として,米国を中心に広く使われてきた。筆者もUWMPCで,がん性疾痛治療の際のオピオイドローテーションの選択肢の一つとして,また難治性の各種慢性痛の治療に使用していた。
Commented by タク at 2011-04-07 20:27 x
薬物としては存在しても,剤形がないものもある。代表的なのはリドカイン貼付剤である。リドカイン貼付剤は薬剤の吸収量が少ないため全身への副作用が少なく,高齢者や合併症がある患者にも使いやすいという利点があり,国際疼痛学(International Association for the Study of Pain;IASP)の「神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン」では第一選択薬に推奨されている。
このリドカイン貼付剤の悲劇は,もともと日本の製薬会社が開発していたにもかかわらず,先進国のなかで日本だけが使用できないという現実である。これは悲劇というより,喜劇といえるかもしれない。
さらに,日本では,保険適用がされていないため使用できない,という薬物も極めて多い。IASPのガイドラインで推奨されている薬物をまとめた表1のなかで,2010年12月現在,日本で神経障害性疾痛に対して保険適用されているのは,プレガバリン(pregabalin)とメキシレチン(mexiletine)だけである。
「十分な武器(薬剤)もなく難敵(慢性痔痛)と戦え」というのは,「竹槍で爆撃機を落とせ」という第二次世界大戦のときから進歩がないようなもので,早急な改善が必要である。
Commented by タク at 2011-04-07 20:29 x
―中略―――

1.EBMやガイドラインに則していない
 筆者のペインクリニックは大学病院に所属しており,原則として,院内他科を含む他の医療機関からの紹介患者のみを診療している。そのため,ほぼすべての患者が,複数の医療機関でのさまざまな治療で効果がみられなかった「難治性」慢性痛患者である。有名な医療機関や,その分野で権威といわれている医師に治療を受けてきた患者も多いが,EBMやガイドラインに則していない治療を受けてきた患者がかなりの割合を占めるのには驚く。
Commented by タク at 2011-04-07 20:31 x
―中略―――

1.急性痛と慢性痛の違いの理解不足
特に日本では医療における痛みについての卒前・卒後教育がほとんど行われていない。そのため,急性痛と慢性痛の違いさえほとんど知られていない。
 慢性痛の治療目的は日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)を向上させることであり,必ずしも鎮痛を第一の目的とはしない。薬で鎮静してしまえば患者の痛みの訴えは減るだろうが,それでは慢性痛の治療にはならない。このような考え方から,特に長期投与時に重篤な副作用が起こる可能性が高く,そのわりに効果が少ないNSAIDsは,慢性痛の治療では限定的な役割しかもたない。

―中略―――
(3)部分作動薬の軽視
 世界的に部分作動薬への関心はこれまで高くはなかったが,欧米では強オピオイドに比較して薬物依存を起こしにくいことなどから,近年,再評価されている。特にトラマドールは欧州を中心に広く使われており,またブプレノルフィンも鎮痛薬としての見直しが著しい。
 日本では欧州に遅れること30年以上,米国に遅れること15年で,ようやく2010年になってトラマドールの経口薬ががん性痛に適応を限って市販されはじめた。
Commented by タク at 2011-04-07 20:54 x
―中略―――

::おわりに

慢性痛に対する薬物治療について,筆者の米国での臨床経験をもとに日本での問題点を指摘するかたちで概説した。
 東京にある大学病院のペインクリニックという性格から,筆者のクリニックには「難治疼痛」という診断名で,何カ所もの医療機関で治療を受けた後に来る患者が多い。確かに,そのような患者の多くは治療に難渋する場合が多いが,一方で,思わず首をかしげたくなるような診断や治療を受けてきた患者も少なからずいる。


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