心療整形外科

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2011年 04月 26日

「慢性痛」ブームが訪れるかも

医療界のブームの火付け役は製薬会社。

新薬の発売とともに、フォーラム、研究会、勉強会などが各地で協賛される。その分野の専門家の講演がおこなわれる。

高脂血症・・・メバロチン

骨粗鬆症・・・D3製剤、骨粗鬆症治療製剤

うつ・・・・・SSRI、SNRI

脊柱管狭窄症・・・・プロスタグランジンE 1 製剤

これからは「慢性痛」がブームになるだろう。

リリカが発売されたが、なぜか「末梢性神経性障害」という長ったらしい適応症になっている。早い話が慢性痛の治療薬なのだが、厚労省は「慢性痛」という適応症を与えなかった。だから、この長ったらしい病名をカルテに書くことになる。

このたび、待望のトラマドールの配合剤(アセトアミノフェンとのカップリング)が発売準備中となった。まだ数カ月はかかるだろう。名前は「トラムセット」。適応症は「慢性痛」「抜歯後疼痛治療剤」

はれて適応症に「慢性痛」が書かれている。

線維筋痛症は広範囲の慢性痛なのだが、リリカやトラムセットを使う場合は「末梢性神経性障害」「慢性痛」という病名をカルテに書くことになる。

トラマドールはこれまではガン性疼痛にだけ適応症があった。海外では慢性痛の治療薬として使われていたのだが。

慢性痛に対して治療の選択肢が増えたわけだ。

医師が慢性痛に対して学習する機会が増える。

慢性痛にならないうちに治療すべきなのだ。

急性痛は組織損傷に対する電気的警報。そのときに早く痛みのスイッチをOffにすることが重要なんだ。

組織損傷の治療と痛みの治療は別問題で、両者を並行してやるべき。組織損傷は多くの場合、それほど重要ではないことが多い。

電気警報装置が鳴り止まなくなってしまうのが慢性痛なのだ。

軟骨が減っているからとか、ヘルニアがあるとか、脊柱管狭窄があるとか、すべり症だとかどうでもいいことを言っていては、痛みの治療にはならず、慢性痛を作ることになる。


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by junk_2004jp | 2011-04-26 21:38 | 慢性痛 | Comments(2)
Commented by 国松 at 2011-04-26 22:09 x
 こんばんは^^

 一患者のおいらとしては、先生の言うことむつかしすぎて
よくわかりまへんが なんとなく そうなんだろうなぁ~っ
て思います。ありがとうございました。
 
Commented by n84 at 2011-04-29 14:31 x
友達の婚約相手の女性が大きな整形外科病院の事務員です。プロスポーツ選手が診察に来ることも珍しくない病院です。

彼女は事務員ですが、勤務先の治療についてある程度知っているようでした。そして先日、私と彼女で話をする機会がありました。話題は主に腰痛についてでした。

長く話をしましたが、彼女の主張の中で常に共通していたのは ”精密機械でしっかり検査しなければ治療できない” ということでした。

痛みがあるということはそれの原因となっている損傷があるはずだ!という信仰は本当に根深いです。


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