2011年 10月 22日
脊椎外科医は自らの手でパンドラの箱を開けることはできません。 とはいってもMPS研究会にも脊椎外科医は何人もいますが・・・。 だから犠牲者が次々とでる。先日は2度の脊柱管狭窄症の手術をして、術前よりも悪くなった人を診ました。 昨日は脊柱管狭窄症の手術が必要と言われた方がお尻の圧痛点に注射をしたらすぐによくなりました。 昨日のboriboriさんのコメントから 昨日、東京大学の脊椎外科の先生の講演を聞いてきました。その中で面白かったことをいくつか紹介します。 ___________________ ①脊椎外科医の6割は「できれば痛みの話には耳を傾けたくない」と思っている。 痛みを勉強するとどうにもならない矛盾に気が付きます。今までの業績を否定することになります。仕事が激減します。パンドラの箱を自らの手で開けることはできません。 ②頸髄症やOPLLの治療では保存療法でも手術療法でも約2割にADLに支障が出るほどの痛みが残る。 つまり脊髄症状(脊髄マヒ)ですが、これは脊髄が圧迫されてなります。脊椎外科医の出番です。多くの場合はこれにMPSが合併しているのです。 ④⑤⑥神経根障害は侵害受容性疼痛か神経障害性疼痛かで意見が分かれている。手術してもよくならない症例は神経障害性疼痛なのだろう。手術前に侵害受容性疼痛か神経障害性疼痛かの区別をつける方法は今のところない。 そもそも神経根障害ってなに?神経根が障害されるとどうなるというの?ここがこの先生がたが分かっていない究極のポイントなんです。ここが崩れると一挙に仕事がなくなるのです。 神経が障害されるとマヒが起こるのです。痛みやしびれではありません。マヒした神経に発芽により痛みが生じることがありますが(CRPSタイプ2)極めてまれで、そんなもの手術で治すレベルではありません。 神経根が障害されると痛みが生じるという生理学的根拠がありません。 これを説明するには異所性発火という理論をもってこなければならないのですが、これでは圧痛点が説明できないのです。 そもそも神経根障害(神経根性疼痛)という概念が間違っているのです。そんなもの存在しないのです。 みんな侵害受容性疼痛なのです。だからとりあえずNSAIDが処方されるのです。 痛みは電気現象なのですから、どこで起電されてどの経路をたどって脳に到達するのか図式されなくてはなりません。また起電はエネルギーですから、どこでどのような方法で行われるのか説明されなくてはなりません。 最近、慢性痛という概念が理解されつつあります。痛みは時間的要素が大きいのです。慢性化するメカニズムも次第に分かってきている。 痛みの悪循環は有名です。 神経根障害では慢性痛や痛みの悪循環を説明できません。 ⑦今までは痛みをとるために手術をしてきたが、リリカで痛みがとれてしまうので、今後は麻痺に対して手術をすることが多くなると思う。しかし、手術をしても麻痺は戻らないことが多いので問題になる可能性が高い。 脊椎外科医の存在はマヒに対してなのです。痛みとマヒの区別(味噌くその区別)に気づき始めたのはいいことです。 痛みとは神経が興奮していること、マヒとは興奮しないことなのです。 神経が圧迫を受けると興奮するとだれかが言ったのがそもそもの間違いでした。神経が圧迫を受けるとマヒすることはあっても興奮はしないのです。 ただし、圧迫ぐらいではマヒはおこりません。絞扼(しめつけ)されるとマヒが生じます。像の足裏の神経を想像してごらんなさい。 神経根障害でマヒになった人をみたことがありますか? 引き抜き損傷(分娩マヒ)は神経根障害なのでしょうが、痛みではなくマヒです。ヘルニアや脊柱管狭窄ではマヒは起きないのです。 極めてまれに馬尾症候群というヘルニアによるマヒがあります。48時間以内の手術が必要です。 筋肉の激しい攣り(痛み)→筋短縮→急激、大量の髄核脱出→馬尾神経を絞扼→マヒ
by junk_2004jp
| 2011-10-22 06:30
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