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心療整形外科

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2005年 01月 07日

外傷性頚部症候群

むち打ち症:活動の早期再開がカギ?

ほとんどの患者が良好な回復を示したとはいえ、本研究は、むち打ち関連損傷の暗い側面も強調している。被験者の約20%には慢性症状が発現していた。「両群とも、約20%の患者は、事故後14日目よりも、事故後6ヵ月目の方が症状が悪化したと感じると報告した」と報告された。


どのようにしても20%ぐらいの人は慢性化するということです。私の印象もそんなものでしょうか。もう少し少ないかもしれません。この文献をみてお医者さん達は安心してください。そういうものなんですね。

損傷の有無の議論には参加しないのが賢明でしょう。それを立証できませんから。分からないということです。もしあったとしても明らかな損傷ではなくわざわざ固定が必用とは思えませんということです。

損傷の有無にかかわらず、また治療や説明のいかんにかかわらず、慢性痛となるものがあるという事実です。この事実も患者さんに知らせるべきなのでしょうか?

その保障をどうするか、これは医師個人の判断のレベルではありませんね。社会的な合意の問題でしょう。

初期に安静にしなかった場合は「やっぱり安静にすべきだった。」と思うかもしれません。その逆のケースもあるでしょう。どっちを選ぶか自分で決めるべきことか・・・。

「あなたは平均的な治癒の期間を超えても症状が続くのはおかしい」なんてことは医者はいいません。それは痛みはとても個人差があることですから。

しかし、数字を扱う保険会社の人の中には平均の論法を使って患者さんを責めるタイプの方がいます。それは仕事の立場上理解はできますが・・そのための保険ですから。。逆に平均より早く治った場合はどうするのか?医者として加害者被害者関係の中に首をつっこんでいきたくはありませんが・・・。

by junk_2004jp | 2005-01-07 13:54 | 交通事故診療


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