心療整形外科

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2012年 01月 19日

中枢性痛覚過敏(central sensitivity syndrome)

昨日の「ためしてガッテン」をごらんになりましたか。

「まさか!!もの忘れに効く薬があったなんて」

最近、認知症と診断された方の中に、全く別の原因で「もの忘れ」が起きている場合があることが明らかになってきました。その病気とは「てんかん」。

子どもがけいれんを起こす病気と思われがちですが、年齢に関係なく発病し、海外の調査から高齢者の方が発病率は高い場合があることも分かってきました。

脳の神経細胞が過剰に興奮することで起きる「てんかん」は、子どもの場合は体質などで起きることが多いのですが、高齢者型は脳梗塞などの血管障害が主な原因です。


慢性痛のメカニズムも脳が大きく関係している。

痛みの信号が脳に入力し続けると脳は「痛みを抑制する細胞」が弱まる。そのため異常興奮が止まらない。

あるキャパシティーを超えて痛みの信号が入力されると(たぶん強さ、時間)脳は不具合を起こすのだろう。

慢性痛を抱えた人にこういう話をするのは難しい。

このような状態を中枢性感作、中枢性痛覚過敏(central sensitivity syndrome)という。=慢性痛

痛みは早く止めるにかぎる。

慢性痛に対しては抗うつ薬、抗てんかん薬、弱オピオイド(トラムセット、ノルスパンテープ)などの薬剤が期待される。種類、量は個人差が大きい。

慢性の痛みを抱えるということはたとえば腰などの構造に異常があるわけではなく、コンピュータ(脳)の異常興奮なのだ。

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間孔狭窄など神経根の圧迫で痛みやしびれはおきません。

すべり症、分離症、不安定症、椎間板や軟骨の老化で痛みはおきません。

椎間板ヘルニアを起こした外力で痛みは生じるでしょうが、ヘルニアそのものが痛みの原因ではありません。

だから健常者でもこのような構造異常は普通にみられます。

手術をしたら治る人もいますが治らない人もいます。治らない人のなかには悪化する人もいます。

手術をして治る人は脳の異常興奮が沈静化するからです。そのメカニズムはよくわかりませんが、儀式的な効果、暗示的効果、全身麻酔の効果などが考えられます。

しかし、また再発することがあります。先日、12月に手術をして、また痛くなった人を診ました。

整形外科、脊椎外科的な病態の推理は行き詰っています。新しい疾患モデルを採用することです。

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by junk_2004jp | 2012-01-19 13:37 | 慢性痛 | Comments(0)


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