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心療整形外科

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2013年 03月 20日

痛みに関して医師を再教育しなければならない

私は某公立病院の神経内科医から「痛みを司る神経が圧迫されての痛みでしょうから、日にち薬で良くなるでしょう?」と言われたことがありましたが、「中枢性感作、末梢性感作」を考えると慢性痛にはまったく無責任な言葉です。


こちらでも整形外科を受診しましたが、僻地のため毎回担当医も変わり、『これはもう治ることはありません』と毎回言われると、余計に滅入ってしまい、自分の情けない状況に泣けてくる毎日を過ごしていました。


整形外科を受診したところ、レントゲン画像を診た担当医から『想像以上に悪いなぁ~。すべり症だね。ずいぶん滑ってるなぁ~。歳をとったら大変だよ…。』と、言われました。


「先生、筋筋膜性疼痛症候群でしょうか。」「そんな病気はありません。もしあるというのなら文献を持ってきて。」


これらは実際に患者さんが経験したことです。めずらしいことではありません。そのような教育を受けているからなのです。

医師は痛みやしびれについてまともな教育を受けていません。

神経が圧迫や絞扼を受けると痛みやしびれが生じるという教育を受けているのです。これは人力車時代のままなのです。

1911年にGoldthwaitが「腰椎椎間板の突出が坐骨神経痛を引き起こし得る」と考えたのが最初だと思われます。

痛みの生理学は進歩しました。検査機器も進歩しました。

新しい学問に沿って診断、治療するのが当然です。

医師を再教育する必用があります。

神経が圧迫されただけでは何もおこりません。足裏の神経を想像してごらんなさい。

神経が絞扼(ぎゅーっと締め付けられる)されると麻痺が生じます。

麻痺とは痛くないのです。感覚が鈍るのです。筋肉は萎縮します。

腰の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄は痛みやしびれの原因になることはありません。

極めてまれですが麻痺が生じることがあります。それが馬尾症候群で48時間以内の手術が必用です。

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この写真は肘で尺骨神経が絞扼されて尺骨神経麻痺が生じたものです。

特徴的な筋委縮が見られます。

痛くはありません。しびれもありません。

知覚の鈍麻~脱失があります。運動麻痺もあります。

脊髄後角で触覚神経などと混線すると極めて難治なCRPSタイプ2になることがあります。

また部分的に損傷すると、脊髄後角で痛覚過敏になることがあります。CRPSタイプ2です。

どちらにしても神経損傷後の極めて難治な疼痛です。





by junk_2004jp | 2013-03-20 21:45


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