2005年 02月 15日

TMSとブロック注射

TMSはTension Myositis Syndrome (緊張性筋炎症候群)のことでサーノ博士が「ヒーリングバックペイン」の中でその理論を詳しく述べています。

その理論を図で表すと、何回も出しているのですが次の図です。

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これは侵害受容性疼痛を表したもので、東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター教授の花岡一雄氏によるものです。

日本医師会雑誌「疼痛コントロールABC」

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この最初のページに出ているもので、医師ならばだれでも知っている常識的なことです。
特殊な痛みを除いてほとんどの筋骨格系の痛みはこれで説明されます。

サーノ博士は脳の反応を「感情を抑圧したときの身体の防衛反応」という表現をしています。

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この本は1963年初版ですが、池見酉次郎先生は心身症を次のように定義しています。「感情、特に抑圧されて意識に上りにくい感情にたいする正常な生理的な反応が慢性に拡大された形で現れることによって、一定の器官に持続性の機能的変化、またはこれから進展したと思われる器質的な変化を現している疾患」

サーノ博士の表現とほぼ同じと考えてよいでしょう。これもまたもはや医学的には常識となっています。

それで、サーノ博士の言っているTMSの考え方は何も特殊なことではなくて、医師ならば誰でも、常識として知っているべきことです。心身医学+生理学をうまく説明したものだと思います。

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痛みの最前線で治療している医師として、つい最近痛くなったひとをこのように説明するのはとても難しいものです。生理学や心理学に精通しているわけではないのですから。

とりあえず痛みをブロックしてやって、「だからこうなのです」と説明する以外にはないのが現実です。

どこをブロックするのが最も効果的で安全なのかは図をみたらお分かりですね。なにも深いところの神経根や硬膜外(神経根の周囲という理解でよいです)をねらう必要はないのです。そこは痛みの情報の通り道にあたるかもしれませんが、痛みの起きている現場ではないのです。そこをわざわざ狙う意味がありません。

ところが医師はなぜか深いところをブロックしたいと思うものです。なぜなのでしょうか?
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by junk_2004jp | 2005-02-15 13:57 | 慢性痛 | Comments(0)


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