2013年 09月 16日

プラセボ手術

患者よ賢くなれ!神経が圧迫されて痛み・しびれが生じるとは生理学を全く知らない人のいうことだ

先日の上記のアクセスはとても多かった。

テキサス大学健康科学センターの総合医 ハワード・ブロディー

ブラウン大学名誉教授 スティーブン・スミス

北米脊椎学会会長 レイ・ベイカー


彼らは、椎間板ヘルニア切除術、脊椎固定術、セメント注入による椎体形成術、膝の関節鏡視下手術これらは偽手術と効果は変わらないと言っています。つまりプラセボ効果だと言っています。脊柱管狭窄症も書いてはありませんが、同じことです。

近年、痛みの生理学の発展はめざましいものがあります。

疼痛学序説 痛みの意味を考える   Patrick Wall著 横田敏勝訳

Patrick Wallは有名な痛みの生理学者です。

彼は「ヘルニア神話の時代は終わった」と述べています。

日本ではまだ100年前の理論が行われています。なぜ議論されないのか不思議です。

プラセボでも効けばいいですが、真の原因が理解されていないので、痛くなるたびに検査をして手術が行われます。

プラセボの治り方は強烈です。術後すぐによくなります。

プラセボ手術のため命を落とす方もいらっしゃいます。

プラセボ手術を成功するには・・・・

権威ある病院、最新の検査機器、権威ある専門医、印象的な画像、将来の不安をあおる

これらの舞台装置が必用です。

私の医院にも腰に手術痕を持った患者さんがとても多い。

2回、3回の人もいる。

問題はFailed Back Surgery Syndrome

腰椎になんらかの手術を受けた患者の10~40%はfailed back surgery syndromeになる。ということは、同症候群は増える恐れがある。多くの場合、手術前の段階で腰痛の成因が誤診きれている。さらに、手術を受けても症状がよくならない場合、診断ミスによる問題が持続するばかりか、術後管理の問題点も浮上してくる」と述べた。(FILE7)

腰椎術後の5%~50%にFBSSが発生する。Rishらは文献上15,000人の椎間板手術患者の成績を分析して20%に症状の持続を認めている。米国では年間37,500名のFBSS患者が新たに生まれている。FBSSの治療には複数回の手術が行われることが多い。Waddellらによれば,2回目の手術では40~50%が改善し,20%は悪化する。3回目の手術では20~30%に有効であるが25%は悪化する。また4回目の手術で改善するのは10~20%にとどまり,45%が術後悪化をみる。手術療法以外にも硬膜外ブロック,脊髄電気刺激療法,神経根切断術などが試みられているが効果は芳しくない。(FILE70)

腰仙椎手術後の患者の10~40%で、慢性痛あるいは再発痛を生じる。これは、failed back surgery syndrome (FBSS)であり、様々な疼痛管理(内科的、外科的、リハビリテーション、行動療法)が行われている。(FILE306)

何度も腰椎手術を繰り返した結果起こるfailed back syndromeが最も多く原因疾患の半数以上を占めている。腰痛の診療には、急性期の治療法の選択、慢性化を予防する手段、臨床的検査結果(画像など)と疼痛の訴えの不一致、術後に著明な医療サイドヘの不信感などの困難な問題があり、さらに心理・社会的因子による疼痛の増強が、上述の原因疾患とともに腰痛の難治化に関係している。(FILE145)

手術は一部の患者にはいくらかの改善をもたらすが、“半数近くは改善を得られないだろう”。そして手術によって改善しない人々は、改善の見込みが不確かな、“failed back surgery syndrome”という厄介なカテゴリーに入る可能性が高いことに博士は言及している。(FILE215)


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ほとんどの痛みはポリモーダル受容器からはじまります。侵害刺激が原因です。

痛みの悪循環が続く。

慢性痛になる。痛みが強くなる、広がる。(中枢性感作、末梢性感作)

構造異常がこういうことを起こすことはありません。

一刻も早く痛みを遮断することです。(治すべき構造破綻があるのなら、あとからゆっくり考える)



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by junk_2004jp | 2013-09-16 12:25 | 慢性痛 | Comments(1)
Commented by しろやなぎわたこ at 2013-09-16 14:35 x
加茂淳先生
いつもは個人情報満載のため、先生宛の個人メールで先生応援メッセージや質問を書かせていただいていますが、これに関してはオープンに。
加茂先生がブレることなく長く発信されていることは私自身の経験も含めて真実であると確信しています。
私はつい最近、今回のブログにある『プラセボ手術』を、身内の手術で見事にみせつけられました。手術が終わった途端(麻酔から目覚めて)顔つきまで変わっているのですから。手術をしてよかったということで、これ以上身内に色々言う気はありませんが・・・。手術前から私は「痛みは神経や構造ではなく筋肉。それに精神的な不安」と、何度言ったかわかりませんが、プラセボ手術の結果が良かったために「筋肉じゃなくて神経なんだ」と、身内一同すっかり考えがもとに戻っています。(しかし、みんな優しいので私は責められたりしていませんのでご安心ください)
今回に関しては、ひたすらプラセボが続くよう祈るだけです。
一刻も早く先生のお考えがスタンダーになるよう、応援させていただきます。


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