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心療整形外科

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2005年 03月 16日

筋肉・腸・気管支・心臓・皮膚

筋肉・腸・気管支・心臓・皮膚 特にこれらの臓器は自律神経を介して心を強く反映します。

生物・心理・社会的モデル=心身症=holistic(全体的、全人的)医学

holistic つまり、全体を脳が指令、認知、反応しているのです。

holisticというとなにかうさんくさい感じがする人もいるでしょう。単なる誤解です。

不整脈で内科、耳鳴りで耳鼻科、腰痛で整形外科と受診していろいろな説明を受けて、薬をいっぱいもらっているが良くならないなどというケースはよくあることと思われます。

ストレス(不安、抑うつ)の症状と理解できれば、みんなまとめて治療できるはずです。

医師になりかけのころは、「構造的」なことに強く心をひかれるものです。椎間板、椎間関節、神経根、仙腸関節、骨盤前傾角、椎体のアライメント、・・・等々。痛みの謎が分かったように錯覚するものです。10年すぎてもそれにこだわるようではセンスが悪いということでしょう。

MRI,硬膜外鏡、関節鏡など構造をどれだけ観察しても痛みやしびれが分かるわけではありません。
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症例

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_58.htm

私のHPの症例1のAさんが3年ぶりに受診されました。1W前から、また以前のような腰~左下肢痛が出現しました。あれから3年間全く異常なかったそうです。

夜間痛、歩行痛つよい。足先のしびれがつよい。

「今回の原因はなにですか」
「部署が変わったので、それがきっかけでないかと思います。痛みが来た来たという感じがして次第に強くなりました。」

圧痛点ブロックをして、痛みはほぼとれました。しびれはまだとれていないそうです。

たぶん多くの医師は神経根症状ととらえてMRIの検査、安静、硬膜外、などとなることと思います。私は腰~下肢の筋筋膜痛と思います。前回(3年前)も1W位で治癒しましたので今回もそれぐらいで治癒すると思います。

ヘルニアで手術をしていたならば、ヘルニアの再発だということでしょう。

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Bさん(60歳代)、左膝痛。約1年以来の受診。

「1W前より、また膝が痛くなりました。」歩行で痛み、夜間痛。
「どこかへ行く予定はないですか。きっとそんなことと関係しているものですよ。」
「そういえばこんど○○へ観光に行くことになったのです。痛くなったのは、それが決まってからでした。」
筋肉・腸・気管支・心臓・皮膚_b0052170_13482228.jpg図のような圧痛点をブロックすると、症状は消えて「楽になりました。」
潜在的な不安(膝大丈夫かな?)が顔をだすのでしょうか。

こんなことが多いのですよ。これも筋筋膜痛です。しかし、軟骨が減っているなんて言い出すと治らなくなってしまうこともあるのです。グルコサミンなどにお金をつぎ込むようになるのです。軟骨が正常なら、関節鏡で半月板の異常といわれて手術することさえあるのです。

AさんもBさんも安い医療費(検査は何もしていません)で納得の診療です。心身医学を理解して医療を行うことによって、医療費は節約され、治療効果もあがります。

医療費を抑制しようとするなら、研修医のときに1年間、心身医学を必修にすべきです。

by junk_2004jp | 2005-03-16 08:36 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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