心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ
2014年 10月 03日

中枢性感作について

福岡市の山田歯科のブログより
http://www.yamadasika.jp/tmdfms3.html

1965年に、通常は痛みと感じない程度の刺激を皮膚に連続的に加えると、徐々に痛みを感じるという現象を研究していたMendellとWallは、皮膚の感覚受容器から脊髄に送られる信号は増加しないにもかかわらず、脳に送られる信号は増加していることを見いだしました。

この現象はtemporal summation of second painまたは簡単にwind upと呼ばれ、中枢が疼痛の感度を増大する機能を持っていること示すものです。健康な人でもこのwind upは起きるのですが、顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労症候群、原発性月経困難症、過敏性大腸炎では異常な痛み感度の増大が起きることが報告されています。そして、この異常なwind upを中枢感作と呼びます。

これらの疾患では、普通は痛みと感じない程度の体の異常でも、強い痛みと感じられるようになるわけです。痛みの感覚は命を維持する上でとても重要な感覚です。緊急時には生命の維持に不必要な痛みの信号はカットされ、微細でも危険な信号は増強され、不安な精神状態では痛みは増強されます。このような中枢の機能は、下降性疼痛抑制系と呼ばれています。この機能は多くの部位が関係した非常に複雑な系によって制御されていますが、青斑核のノルアドレナリンニューロン、中脳中心灰白質および延髄大縫線核のセロトニンニューロンが主要な働きをしていると言われています。

 近年、抑制ばかりでなく興奮性の系もあることが発見されました。興奮性の系は中脳中心灰白質や三叉神経中脳路核などの中脳深部の核にコントロールされて延髄背側網様体がその機能を行っていると言われていますが、まだ、明らかではありません。そして、この中枢の機能は中枢感作に深く関わっているものと考えられています。



急性痛=損傷+痛み

慢性痛=中枢性感作=痛みそのものが治療の対象

痛みの悪循環→中枢性感作→慢性痛

感作を受けやすい脳・・・・不安脳、こだわり脳、抑うつ脳、怒り脳

慢性痛を作るのに医師が一枚かんでいます。

「ヘルニア、脊柱管狭窄、軟骨がぼろぼろ、椎間板が狭くなっている、半月板が悪い、腱板がきれている」

などの変化があたかも痛みの原因のように説明することは慢性痛の出発点になるでしょう。

医師数の増加、MRIの増加は当然ながら慢性痛患者を増やすことになるでしょう。

医師は慢性痛を勉強することは自らの仕事をなくすること、権威をなくすることにつながりますのでたぶん否定的になるでしょう。

患者さんが自ら勉強しなさい。

厚労省は古い医学の病名を未だに保険診療の病名に使っているのを見直ししてください。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術を保険診療からはずすべきです。

それだけで医療費はかなりたすかりますし、慢性痛も少なくなるでしょう。

慢性痛の治療がうまく行くということは治療者が役者だということです。

患者さんと波長があったということです。

私の指導医は「医者は役者であれ」といいました。ドクターズ ルール 10

今から40年ほど前のことです。今でも十分通用しますね。偉大な指導医だったと思います。


[PR]

by junk_2004jp | 2014-10-03 13:38 | 慢性痛 | Comments(1)
Commented by しろやなぎわたこ at 2014-10-04 09:37 x
加茂先生
先生の貴著にもご紹介下さっていたドクターズルール。
他の職業に置き換えても通じる部分が多く
あらためて勉強になりました。


<< 大学でMPSを教えれば疼痛難民は減る      交通事故損保様、時代は変わって... >>