2014年 12月 07日

脊椎外科医の間違った思い込み

「神経が圧迫・絞扼を受けると痛みやしびれが生じる。」という間違った思い込みが日本中にあふれています。椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症という診断の根拠とされています。これ、間違いです。患者はMRIの画像を見せられて強く脳にインプットされます。

そしてそれを除去するという儀式的手術を受けるのです。

手術は最大のプラセボといわれていますが、よくならない人もたくさんいます。

よくなったとしても半年ぐらいでまた再発するということをしばしばききます。

この生理学的に全く根拠のない思い込みが患者を苦しめ、結果的に治りにくい痛みにしています。

神経は圧迫を受けたところでなにもおこりません。

だから地球上で生活できるのです。

像の足裏の神経はどうなっているのでしょうか?

頭上に物を載せて運ぶ習慣の国はたくさんあります。首の神経に悪いという噂を聞いたことがありますか。

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神経線維が絞扼(締めつけ)されると痛み・しびれでなく麻痺が生じます。

橈骨神経麻痺

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尺骨神経麻痺、正中神経麻痺、腓骨神経麻痺、これらの多くは神経線維が絞扼されて生じます。

痛み・しびれではありません。麻痺です。動かない、知覚が脱失、鈍麻している。

痛み・しびれは神経症状ではありません。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛み、しびれの原因だと主張するのなら、生理学的な根拠、メカニズムを説明すべきです。

急性痛は治りやすいですが、慢性痛となると、責任が脳にいきますから難しくなります。

高齢者を悩ませる慢性的な体じゅうの痛みの原因が判明!そのカギは脳にあった!?

http://www.minnanokaigo.com/news/N28481743/

もし痛み以外の症状が見られないようなら、単なる慢性的な痛みである可能性が高いです。肩であれ、手足であれ、腰であれ、慢性的な痛みに悩まされているという人は少なくないでしょうが、残念ながら慢性的な痛みに対する治療法についてはほとんど確立していません。たとえ治療法が存在したとしても、筋肉痛や不安感、イライラといった重い副作用を伴うものばかりであり、慢性的な痛みに有効な治療法が存在しないのが現状です。

そんななか、アメリカのセントルイス大学のDaniela Salvemini教授率いる研究チームは、齧歯類の動物モデル300匹を用いた実験を通じて、慢性的な痛みを止めたり、なくしたりするメカニズムを発見。ここで重要なカギを握っているのが「A3」と呼ばれる脳内レセプターであり、小さなアデノシン分子によってそのレセプターが活性化されることで痛みが和らぐというメカニズムを明らかにしました。

慢性的な痛みを我慢しながら日々生活している高齢者は多いでしょうが、慢性的な痛みがQOL(生活の質)の低下の原因のひとつとなっていることは言うまでもありません。今後はA3アデノシンレセプターに焦点を置いた研究を進めていくとのことで、高齢者のQOL改善にもつながる研究から今後も目が離せません。


前回は中枢性感作の話、前々回はオーストラリアでの慢性痛対策、いずれも慢性痛のキーワードは「脳」なのです。

急性痛のうちに痛みを治す。

意味のない、それどころか間違った思い込みを患者にもたらす画像所見を説明しないことです。

他人の脳の認知と反応を変えることが治療となります。ある意味ではすべての治療がプラセボ狙いということになります。

危険でない、悪影響を及ぼさない、繰り返すことができる、安価、だれでもどこでも可能なプラセボがいいでしょう。


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by junk_2004jp | 2014-12-07 12:30 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)


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