心療整形外科

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2015年 03月 01日

痛みについて医師も患者も知るべき基本的知識

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


痛みとは主観的な体験で、感覚と情動の二面性がある。

つまり、他人の情動的体験の治療はいろんな方法がある。お祈りから外科手術までさまざまだ。とはいっても、科学的にはどう考えればいいのか。生理学ではどうなっているのだろうか。

特異的疾患(癌、感染、リウマチ・通風、幻肢痛などの真の神経障害性疼痛)を除外する。

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早い痛み:Aδ線維、髄鞘あり、「アッ、イタ!」、感覚性
遅い痛み:C線維、無髄、怪我のあとに起こるいやな感じの痛み、情動性、ポリモーダル侵害受容器

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C線維の先端についている痛みの受容器で熱刺激受容体、機械的刺激受容体、内因性発痛物質(ブラジキニンなど)受容体がついている。

痛みが生じるのは熱か機械的刺激(外力)しかない。もうこの時点ですべり症とかヘルニア、脊柱管狭窄は痛みの原因ではないことがわかる。
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ポリモーダル受容器で生じた痛みは神経線維を図のように脱分極・再分極を繰り返して、脊髄後角へはいる。そこで神経線維を乗り換え、脊髄内を脳へと入っていく。

痛みの悪循環

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痛みは何かに付随したものではなく、それ自体が独立していると考えるべき。痛みの治療と構造の治療は別の問題。構造が治れば痛みも治るという法則はない。人間にとってどちらか一つを選べということであれば痛みの治癒を選ぶべきだろう。

痛みは早期に止めるべきだ。構造はゆっくりと考えて治療。

痛みが慢性化すると「こじれる」「複雑な痛み」となることがある。痛みは歪む。

急性痛=創の治療+痛みの治療

慢性痛=創が治癒したと思われる時期(3ヶ月)を過ぎても続く痛み。痛みそのものが治療の対象となる。創の治癒とは断端面の閉鎖。

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靭帯断裂は創面は癒合しないまま閉鎖したが痛みはない。
完全に癒合して治癒したが痛みがあるのとどちらがいいだろうか。



中枢性感作:下降性疼痛抑制系の機能低下、時間的加算(ワインドアップ現象)

末梢性感作:熱受容体が35度で反応、痛覚過敏


このように痛みは初期治療がとても重要なんだ。

最初はバケツ一杯の水で消火できたかもしれないのに放置していたため、山火事になった。

あるいは放置していても自然に消えたかもしれない。

それを判断せよといっても無理。

とにかく早く消火すべきなんだ。

ところが患者さんや多くの医師は一生懸命になんで痛いのかさぐる。そして、これが原因だと(多くは間違っているのだが)思われる構造異常を見つけようとする。そしてあてはずれの治療をする。

または、特に悪いところはないといって痛みを放置する。

筋硬結も痛みの原因ではなく結果なんだ。だから痛くない筋硬結もある(不活性)。

脳が不安障害やうつ状態ならもうそれだけで中枢性感作状態といってもいいだろう。わずかなきっかけで痛みが生じる。

全身麻酔で手術するときでさえ前もって切開部に局所麻酔をうつ。これを先取り鎮痛という。




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by junk_2004jp | 2015-03-01 16:45 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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