心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ
2015年 03月 23日

結局、痛みのメカニズムを知らないから診断できないのです

日本中、痛みについてどこにでもあるお話を2つします。いただいたメールをもとにしています。

なにも特殊なことではありません。

結局、医師は痛みのメカニズムをしらない。メカニズムを知ると筋筋膜性疼痛症候群(MPS)が理解できます。メカニズムを知るとMPSに行き着きます。

MPSを知ると線維筋痛症が理解できます。

みなさん、不思議に思うことでしょう。医師だって勉強しているんです。いろんな学会に出席したり、勉強会、研究会に出て専門医の資格を維持しています。

ところが大体、その勉強は仲間内なんです。整形外科医や脊椎外科医が生理学者の話、心身医学者の話を聞くことは少ないのです。

そして、昔からの説を強く思い込んでいる。信じて疑わないのです。

私は痛みの生理学は故・熊澤孝朗先生や水村和枝先生の著書を読みました。

心身医学は中井吉英先生の著書などを読みました。

痛みのメカニズムは臨床医レベルで、知っているべきことは、そんなに難しいことではありません。

MPSは心身医学と切り離せません。脳の認知と反応なんですから。

MPSなんて、どこにでも普通にあるものなんです。それが分かっていないとは不思議なことです。

多くの臨床医が痛みのメカニズムを勉強し、MPSを理解することを願っています。

私の医師人生の残り10年ぐらい、MPSの普及に努めるつもりです。

MPSは開業医にとって診療機会のチャンスです。手術専門の脊椎外科医から患者さんを呼び戻すチャンスです。

①60歳代、女性

4年前、つま先に痛みとしびれ。近医Aにて小さいヘルニアがあると言われる。牽引、マッサージ。

改善せず。精査のため、B総合病院に紹介。精査の結果、「どこも悪いところはない」といわれる。

痛み・しびれは広がり、臀部〜つま先となる。「坐骨神経痛」と診断。ブロック注射、4回。よくならず。

その後、2つの病院C,Dで精査するが、結果は同じであった。

Eペインクリニックを紹介される。漢方、運動療法。改善せず。痛みは強くなり、眠れなくなる。睡眠薬を飲む。

治療法なく絶望的、心も疲れてくる。

知人の勧めで新たなF病院へいく。検査をやり直す。結果は同じで「悪いところはない」。

リハビリにかよう。よくならない。鍼治療も併せ行うがよくならない。

F病院で再度検査をして「梨状筋症候群」と診断され、手術をするためG病院を紹介された。

診断名がでたときはとてもうれしかった。

「梨状筋症候群」をネットで調べているとき私のことを知る。私の本を読む。MPSを知る。衝撃的だった。


これはもうMPS以外にありません。もちろん、心身医学も関係しています。

②70歳代、女性

A病院で「腰椎すべり症」で手術を受ける。痛みは改善せず。強い痛みは続き、術後1年近く、1日のほとんどを寝て過ごしていた時期がありました。

B病院受診しC病院を紹介される。

C病院では「「腰の軟骨が擦り減っている、腰の骨も変形している、このまま放っておくと、寝たきりになる」と言われた。

夕飯後に20分ほど散歩していましたが、今は痛くて、その散歩もほとんどできません。

先日、セカンドオピニオンを求めて脊椎で有名なD病院、E病院を受診した。

D病院では「今すぐ手術しなくてもいいのではないか」との意見でした。

E病院では、初めて狭窄症と病名を告げられました。

昨年、ボルトを抜く手術を受けたが痛みは変わらず。

C病院では脊柱管狭窄症の手術をしてあげるとのこと。

今度は、年間脊椎手術数を誇るF病院を受診する予定とのこと。


F病院で脊椎手術を受けて身体障害者になった(裁判勝訴)人を診ています。

複数回の手術で現在たいへん辛い患者さんをたくさん診てきました。

相談者は患者さんの息子さんですが、私のHPを読んでいろいろ質問されています。

いまひとつ理解が困難のようです。無理もないことです。

同じような傾向の有名病院をいくら受診したところで回答は得られないことでしょう。

診察をしなくても、診断がつきます。

「慢性痛症候群」です。つまりMPSが慢性化、悪化した状態です。

日本の痛み診療は医療先進国より、20年遅れているといわれています。

慢性痛症候群は生物・心理・社会的要素のからんだ複雑系。

先進国では集学的医療が行われています。

最近、ようやく我が国でも「慢性痛」に対する関心が高まりシンポジウムや勉強会が行われるようになってきました。



b0052170_19374353.jpg

b0052170_1938611.jpg

b0052170_19382834.gif

[PR]

by junk_2004jp | 2015-03-23 13:59 | 痛みの生理学 | Comments(0)


<< 日本の痛み医療は先進国より20...      脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアが痛... >>