2015年 07月 26日

なぜ痛い

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛み・しびれの原因では決してありません。

「神経がヘルニアで圧迫を受けると痛い」というのは日露戦争時代からの生理学的根拠のない非科学的な説です。

神経線維は圧迫を受けても何も起こりません。

だから健常者にもヘルニアや脊柱管狭窄がごく普通にみられます。

痛みが悪化して麻痺になることはありません。

正しい知識を得て、効果的な治療を。

なぜ痛みがおきた?

ポリモーダル受容器が過敏になったから


なぜ過敏になった?

損傷→炎症→ブラジキニン、プロスタグランジン→ポリモーダル過敏


なぜ痛みが広がる?

せき髄のグリア細胞はただ単に神経線維を支えているだけでなく、情報を伝えるという積極的な役割を果たしていることが最近わかった。このことは情報が本来の道路以外の、平原のような所に広がりながら進んでいくということ。(「痛みを知る」より)

グリア細胞も可塑性を引き起こす。


なぜ損傷が治っても痛みが続く(慢性痛)?

末梢性感作
中枢性感作(視床下部、視床、扁桃体、海馬、大脳皮質)

下行性疼痛抑制系の減弱、時間的加算、長期増強


急性痛・・・損傷+痛み(損傷の治療と痛みの治療は別問題。それぞれに治療。)

慢性痛・・・損傷治癒後も痛む(痛み系の歪み、可塑的変化)

例えるなら、火災報知器の不具合、鎮火したのに鳴り止まない、タバコに火を付けただけで鳴り響く。

不安、うつ状態は下行性疼痛抑制系の減弱で中枢性痛覚過敏状態なので当初より慢性痛のような痛み。

発達障害(ADHD、アスペルガーなど)でも過敏があることがある。

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by junk_2004jp | 2015-07-26 11:30 | 痛みの生理学 | Comments(2)
Commented by 薬缶頭 at 2015-07-27 06:30 x
先生おはようございます。
日本には様々な分野で古い習慣・慣習が残っています。その中には「伝統」と呼ばれ伝えていかなくてはならないものもあれば、「悪しき慣習」としてはびこってしまっている物あります。
法の中にも明治や大正に作られたものが、未だに通用していますが、変える手続きが大変なのか、なかなか簡単には変わりません。
じゃぁ、科学の世界はどうでしょう?科学は日進月歩。最先端はそれこそ秒単位で新しくなっていっています。そしてそれが正しいと認められれば、その知見が常識となっていきます。
医学は科学の一分野です。今だとIPS細胞の分野は恐らく秒単位でしょうねぇ。じゃぁ最も身近な「痛み」に対する知見。未だ日露戦争時代のもが用いられている。信じられませんねぇ。誰も研究していないのでしょうか?研究の余地が全くないのでしょうか?ま、金がなる木でなければ誰も興味は示さないでしょうが、しかし、実は患者数はとてつもない数で、ここに正しい知見をひっさげて参入すれば、ウハウハのはずなんですが・・・ド素人の浅はかな考えの様にはならないようです。
残念ながら「痛みの生理学」、「筋・筋膜の生理学」共に忘れ去れてしまっていました。加茂先生が声を上げ、それに応える様に疑問を持ち続けていた関係者がやっと表舞台に出ようとしてきています。欧米に遅れること約20年。日本はまだ遅れる気なのでしょうか?この問題、オリンピックのメイン会場以上に大きく取り上げ、議論されて欲しいものです。
先生の更なるご活躍を期待します。
Commented by Tokyo小池 at 2015-07-27 20:10 x
手術をおこなう医師は神経がヘルニアで圧迫を受けると痛いと言う事を原因としています。

では、圧迫がある時にどのように痛みのメカニズムがおきておきているのか?
痛みを感知する受容体は?脳との電気信号は?
圧迫で痛みが出ると言うのならばそれに対する生理学を
きちんと説明しなければなりませんが、そのような医師は皆無です。
それは当然の事です。ヘルニア説そのものが生理学として成り立っていませんから説明などできる訳がないのです。

生理学とは、えせ専門家の非科学的な持論ではありません。人間の正しい仕組みです。

生理学をえせ専門家の非科学的な持論だと言うのであればヘルニア説でおこる痛みの仕組みをきちんと説明して頂かなければなりません。

自分はその説明はできない、だが生理学はえせ理論なのだと言うのであれば、それは医学的意見のやりとりではなく、ただのヤジ、悪口に過ぎません。





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