2016年 04月 05日

生理食塩水による筋膜剥がしの失敗

私はほとんどの場合30Gの針を使います。圧痛点数カ所に薬液は合計数cc。前後に揺するように揉みます。

「筋膜剥がし」というのは患者さんに説明するときのイメージの問題なんだろうと思います。私はこの言葉を使いませんが。

例えばストレスで肩が凝ることがありますが、これをどう説明するのでしょうか。

ぎっくり腰をどう説明するのでしょうか。

実際に癒着しているものを剥がすと出血しますし、また瘢痕を形成しますね。

慢性痛をどう説明するのでしょうか。

マエケン体操は「筋膜剥がし」?「柔軟体操」?「ストレッチ」?「準備運動」?



トリガーポイント治療後、予想を超える不具合が生じ、そのご相談かたがたお伺いしいと思っております。要点は、左臀部へのエコーガイド下筋膜生理食塩水注入(12か所)後、患部が膨隆し、激痛の余り歩行不能となり、10日経過後、ようやく動けるようになったものの、股関節の可動域が治療前よりも痛みのため大幅に制限され、この状態をどうしたものか、ご相談差し上げたいというものです。

治療後、これまで経験がないほどの痛みで歩行が困難となり、増悪の一途であったため、1時間後にクリニックに戻り、助言を求めたところ、追加治療をしますと、さらに生理食塩水が注入されました。

その後も患側の足に体重をかけるだけでも激痛がありましたが、さらに注射をされると困るので、家族に迎えに来て貰い、救急病院を受診しました。その時点で左臀部は、どんぶり茶碗を皮下に埋め込んだかのように腫脹し、歩行困難にて病院では車椅子をお借りして移動しました。


この患者さんは慢性の「尻こり」でした(中臀筋や腸腰筋のMPS)。

太い注射針で大量の食塩水を注入してはいけないということです。

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by junk_2004jp | 2016-04-05 13:36 | 慢性痛 | Comments(2)
Commented by しろやなぎわたこ at 2016-04-06 06:35 x
先生、いつも精力的なご発信に敬意を表します。
さて、昨晩たまたま見た番組のお話です。
その男性は腕に痛みを感じず、それを利用して腕に太い針金のような針を通す芸で世界を回っています。
もちろん、インチキだという人もいっぱいいるようですが、それを科学的に解明する番組になっていました。

結論から言うと、彼の言葉を借りると「脳のスイッチを切りかえる」そうで、それをMRIだとかいろいろな機械で観察したところ、アルファー派がたくさん出るようコントロールしたり、前頭葉にある一番痛みを感じる部分の反応をゼロにしたりできる特殊な(?)能力の持ち主でした。(私なりの番組の解釈です)

この逆の状態にあるのが、様々な不安もともなって痛みを抱えていらっしゃる方々で、その方々を医療面から手助けしてくださっているのが加茂先生ですね。
Commented by junk_2004jp at 2016-04-11 01:30
そういうことです。現在では慢性痛は脳のくせになった反応ということです。急性痛もその延長上にあるのですが組織損傷を伴うことがあるのです。組織損傷の治療と痛みの治療は別問題です。「神経圧迫で痛い、しびれる」は0点です。


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