2016年 07月 01日

うれしい報告

本日、ビタカイン製薬のMRがきました。下のパンフレット(小冊子)が整形外科医にとても人気になっているとのこと。今までのものより断然反響が大きいとのこと。制作にたずさわったものとしてとても嬉しく思います。

「知らなかった。初めてみた。もっと詳しく知りたい。」このような言葉があったそうです。これを契機に痛みのメカニズムや心身医学あるいは筋肉を再勉強されたらいいです。

そして誰もが簡単に痛みの治療が受けられるようになったらいい。

また、医師は労災や交通事故などの意見書を書くことがあるが、正しい医学用語を使って医学的所見を書きたいものです。

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「はじめに」

筋骨格系の痛みの多くは、筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome,MPS)です。1983年に Travellと Simonsは「筋筋膜性疼痛と機能障害 :ト リガーポイントマニュアル」という表題の膨大な書物でMPSを体系化しました。

MPSは我が国において認知度が低く、医療でうまく対応できていないせいなのか患者数は2010年で成人の22.5%が慢性痛を持っているとの報告があります。

悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛などを除外診断 (レ ントゲンや血液 診断)できれば、痛みやしびれはMPSということになります。これらの疾患にMPSが合併していることもあります。

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、などと言われている疾患の痛みやしびれはMPSです。

MPSの症状は痛み、しびれのほかに罹患筋によって、力が入らない、耳鳴り、ふらつき、知覚鈍麻など多彩です。

特殊なものに、痛みが全身に広がった線維筋痛症 (罹患者数推定250万人)、 浮腫や強い痛みが続くCRPSがあります。

MPSの原因は重力 (外力)です。

1)一過性の大きな外力 (転倒、むち打ち、打撲、ねん挫など)
2)慢性的な外力(生活習慣、仕事、スポーツ)です。

老化による筋肉の質 、量の低下(サルコペニア)は外力に対応することが困難になります。

MPSは慢性化しやすく、また痛みの部位が広がっていくことがあります。早期にトリガーポイント注射などの治療が必要です。手技は比較的簡単ですので、プライマリ・ケアの医師、専門外の医師が行えます。私は30ゲージ、27ゲージ、19 mm、38 mmの 注射針を使っています。

MPSは 急性痛 と慢性痛に分けられます。急性痛は「組織損傷 +痛 み」、慢性痛は「痛みそのもの」が 治療の対 象です 。 組織損傷 は電子顕微鏡レベルの微小損傷 から完全骨折のような大きな損傷までさまざまです。

組織損傷の治療と痛みの治療は別の問題です 。組織損傷の治療は必要に応じて 行えば いいですが 、 痛みは損傷が治癒 (不全治癒)したと思われる時期を過ぎても残ることがあるので、早期より積極的に痛みの治療を行うべきです 。 慢性痛は中枢性 、末梢性の感作が起 きたもので 神経障害性疼痛とも言われています。

慢性痛は「生物・心理・社会的疼痛症候群」と いわれ、ストレスや天候など日常生活の中に原因があ ると考えられるため、集学的な対応が必要です。認知行動療法や薬物療法が必要なことがあります。

変形性股関節症の痛みもMPSですが、可動域制限や脚長差はMPSを永続させる要因となっています。

不安、怒り、抑うつ、こだわりなどはMPSを 拡大、永続させることになるでしょう。 また不安やうつは痛みの閾値を低下させます。

本書によりMPSへの理解が深まり、適切な治療が施行されることを期待いたします。

加茂整形外科医院 院長 加茂 淳

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by junk_2004jp | 2016-07-01 13:19 | MPS | Comments(0)


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