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心療整形外科

junk2004.exblog.jp
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2016年 07月 11日

医師は診断して説明する義務があります

1)「椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が末梢神経を圧迫、絞扼すると、その神経支配領域に痛みやしびれが生じる」ということは生理学上証明されていません。

2)健常成人でも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄は50%以上に見られるというデータがあります。

3)手術をしても痛みやしびれがとれないことがあります。または、しばらくはよいが数週から数ヶ月で痛みやしびれが再発することがあります。

4)手術という外傷でより複雑で難治なCRPSという状態になることがあります。



このような印刷物を術前に患者にみせないと訴えられて裁判で負ける時代がすぐそこにきていると思います。

弁護士の数が増えています。弁護士にとってこのような医療訴訟はビジネスチャンスです。

それはどんな治療にもいえますね。

トリガーポイント注射にも鍼治療にもいえますが、短時間で患者さんに痛みのメカニズムや慢性痛を説明することはほとんど困難です。

それは共通する言語や基本的な知識に医師と患者さんの間には壁があります。

その壁を乗り越える意味でマスコミが正しい情報を伝えることやペインセンターを作って医師を指導したり情報を発信することです。

私は慢性痛の本態は「中枢性感作」(脊髄後角や扁桃体、延髄などに生じた痛覚過敏)にあると思っています。

ヘルニアや脊柱管狭窄のせいでもFasciaの癒着のせいでもありません。

中枢性感作に対して、鍼やトリガーポイントだけでよくなれば本当によいことです。

あるいは認知行動療法だけでよくなればもっといいです。

本を読んで知識を得るだけでよくなったとしても不思議ではない。

薬物療法を否定したところで、変えられない環境、変えられない仕事、時間的、経済的問題があります。

決められた人生の時間があります。

よくならない鍼治療によくならないトリガーポイント注射にどれだけ通えばいいのか。そういうことも言えるのです。医師は中枢性感作に対して使うことができる薬物を提示する義務があるともいえる。





by junk_2004jp | 2016-07-11 20:35 | 慢性痛


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