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心療整形外科

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2016年 07月 14日

0.5%局所麻酔5ccがあなたの人生を救うかもしれない

痛み刺激が続くと痛みはWind upされていきます。(時間的加算)

強い痛みが入力され続けると脊髄後角などで痛みが記憶されます(長期増強LTP)。痛み刺激がなくても(わずかでも)痛みを感じるようになります。(中枢性感作)

痛みは広がっていくことがあります。痛みをかばう姿勢をとり続けることで他の部位の筋肉に痛みがでたり、脊髄反射により近隣の筋肉や脊髄の上下の層にも影響がひろがります。対側にも広がります。

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痛みの早期遮断はとても重要です。それには特に強く痛みを感じるポイント(圧痛点)数カ所に局所麻酔を打つことです。

30ゲージの極細の針を使えばほとんど痛くはありません。手技も難しくはなく、危険も極めて少ないです。

全量でも5cc位でしょう。それを痛みの程度に応じて数日間行う。

このような医療行為がこれから大変な目にあうかもしれない「慢性痛」を未然に防ぐことでしょう。

慢性の痛みが続くと、医療機関を渡り歩くことになり、何度も検査を受け、手術をしても治ることはなく、失業して・・・そういう辛い人生になることだってあるのです。

保険診療もこのような診療がしやすい体制にしなくてはならない。

修復すべき構造破綻があるかどうかは別問題で、とにかく除痛を優先すべきです。

構造はいつでも治せますが痛みは時間との戦いです。

痛みをがまんしてはいけません。



自動車に足背を踏まれる。強い痛み。病院でレントゲン、異常なし。その後強い痛みが続き日常生活が困難となる。

この場合病名は「足の圧挫傷」で、そんなに長く痛みが続くはずがない」ということで損保保険が打ち切りとなる。裁判になることもある。

骨折があってもなくてもしなければならない治療は局所麻酔を使うことなんだけど。患者さんがその治療を承諾してくれればいいのだが。


保険診療でも圧挫傷で局所麻酔を連日打つことに対して注釈が必要となるだろう。

大病院の専門医は急性痛をみる機会は少ないことだろう。そして痛みの原因をMRIなどの画像に見つけようとするわけだ。それで必要もない手術となるのだろう。

医師はあまりにも痛みの生理学を知らなすぎる。

Wind up現象、長期増強、中枢性感作、脊髄反射の広がりなどの生理学用語は私が医師になったころはなかった。最近はインターネットがあるから新しい生理学がだれでも勉強できる。




by junk_2004jp | 2016-07-14 04:41 | 痛みの生理学


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