2017年 01月 15日

「慢性痛」という病気

痛みの定義(1986年・国際疼痛学会)

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

① 組織損傷を伴うもの:急性痛、炎症性疼痛

いわゆるケガの痛み、ケガに伴う反応性の炎症。リウマチ、痛風、偽痛風

消炎鎮痛剤


② そのような損傷があるように表現されるもの:慢性痛=神経障害性疼痛≒心因性疼痛

損傷が治癒すると思われる3ヶ月が過ぎても続く痛み

中枢性の痛覚過敏症

痛みの悪循環の結果、時間的加算(ワインドアップ)、長期増強、下行性疼痛抑制系の機能低下が起こり、痛みを認知反応する中枢(脊髄・脳)が痛覚過敏になる。痛みの部位が広がる。

不安障害、抑うつ状態、発達障害、アダルトチルドレンなどの場合は最初より痛覚過敏状態のこともある。

例えるなら、火災報知器の故障でとても過敏になり、ライターで火をつけただけで鳴り響くような状態。

痛覚認知システムそのものの故障。

認知行動療法、トリガーポイント注射、鍼、マッサージ

薬(ノルスパンテープ、サインバルタ、トリプタノール、トラマール、ワントラム、トラムセット、アセトアミノフェン、リリカ、ノイロトロピンなど)


慢性痛にならないようにするには

ケガに対して過剰な安静や固定をさける。

不必要な画像検査をして患者に恐怖を与えない。

構造の治療と痛みの治療は別問題、痛みの治療を積極的に。局所麻酔が有効。

「神経が圧迫されていて痛い」「軟骨がすり減っている、椎間板が潰れているから痛い」などという生理学的根拠のない従来の説を言わない。

保険病名を工夫する必要がある。「変形性関節症」「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」などの構造状態の病名は決して痛みの原因を表しているものではなく、患者に悪影響を与えるものと思われる。

最近の患者さんの話を聞くと、(私なら簡単に対応できるようなもの対して)レントゲンやMRIを撮り、

「手術するほどではない」
「悪いところはない」
「腱板が切れかかっている」
「軟骨が壊死している」
「分離、すべりがある」
「脊柱管狭窄、ヘルニアがある」

などといった無意味な説明、悪影響を与える説明がされている。

これでは医療費を使って慢性痛の患者をつくっているようなものだ。

厚労省は医師の教育を見直して、保険病名、診療報酬に工夫をしなければ大変なことになりますよ。

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by junk_2004jp | 2017-01-15 01:43 | 慢性痛 | Comments(1)
Commented by カミツレ at 2017-04-16 11:39 x
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