心療整形外科

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2005年 05月 12日

再びmyofascial pain syndrome(筋筋膜性疼痛症候群)

MPSについて教育を受けていない医学部生は、卒業後もその存在を知ることなく診療を行うため、現実には多数存在しているMPSの患者たちを前にしながら、正しい診断、治療が行えないのである。臨床医がMPSに無関心であることによってもたらされる弊害として重要なことは、TPがもたらす疼痛に対して他の疾患の診断が下されることである。診断が異なると治療も変わってくる。膝の痛みが軟骨の磨耗であるとなれば、最終的には人工関節置換術のような手術療法が行われ、二度と正座ができなくなるし、耐用年数を超えれば再手術が必要になる。腰下肢痛が神経根の炎症であるとなれば、治療には神経根ブロックが繰り返し行われるか、手術療法が行われる。しかし、このような侵襲の大きい治療が行われる一方で、疼痛の改善という目的は達成されない。MPSを正しく診断することができれば、鍼療法(TPA)とストレッチという侵襲のほとんどない方法で的確に疼痛を改善できるのである。(ファイル194

しかし,これまでに良い転帰をもたらしてきたのは,体幹の特定の筋肉の障害や緊張に直接働きかける治療法だ。患者の大部分では,腰痛のおもな原因は筋肉の障害や緊張である」と述べた。同部長は「疼痛の医学的管理において筋肉系の重要性が軽視されているのは,医師が大学で学ぶ内容に関係があるようだ。基礎解剖学が終わると,疼痛の診断および治療に関する教育に筋肉はほとんど出てこない。つまり,われわれは診断アルゴリズムにおいて全身の70%を無視しているのだ」と述べた。(ファイル12


日本の医師もアメリカの医師も筋痛に対する教育がなされていないといっている。また、心身医学も心療内科学講座のある医学部も少ないのではないか。

筋骨格系の痛みのほとんどがMPSなのです。そしてそれは交感神経と関係がふかいのです。つまりストレスと関係しています。

MPSや心身医学の知識が十分でない医師が多いのだろうと思われる。これは患者さんにとって大きな損失です。

TPがもたらす疼痛に対して他の疾患の診断が下されることである。診断が異なると治療も変わってくる。

まさにその通りです!たとえば「顎関節症」といわれているものも、下顎筋のMPSです。それを顎関節症という病名を付けることによって治療の方向が関節に向かってしまうのです。

下肢のMPSも根性疼痛とか神経根症状とかかってに思いこんで(生理学的に説明できないにもかかわらず)治療の焦点を神経根に向けてしまいます。その結果はよくないのは有名なところですが、なぜか思い込みからぬけだせないのです。
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by junk_2004jp | 2005-05-12 19:43 | 慢性痛 | Comments(5)
Commented by keisyan at 2005-05-12 21:15
>なぜか思い込みからぬけだせないのです。

なぜだ(ーー;)
Commented by junk_2004jp at 2005-05-12 23:03
まずは触診から。画像診断なんて除外診断の意味しかないのです。
ラセーグテストは知っているけど、筋硬結ってな~に。
Commented by 柔整師です at 2005-05-13 08:16 x
いづれは、TMS理論の考え方が普及して椎間板ヘルニヤの認識が転覆するという日がくるのでしょうか?それとも「基礎医学ではない理論」のひとつてしてのこっていくのでしょうか?ヘルニヤと診断された症例への局所麻酔で100%治癒したというデータをマスコミが取り上げれば世論が高まるかもしれませんね
Commented by なぜなぜ? at 2005-05-13 15:35 x
膝の痛みが軟骨が影響ないとすれば、なぜプールのような負荷のかからない所では痛みがでないのでしょうか??なぜ関節水腫が起きるのでしょう?別に痛いというから人工関節をしているわけではないでしょう。
なんでも決めつけはよくないと思うのですが・・・・・

押さえて気持ちがよいと言われる方は筋痛性の印象があります。
もちろんはっきりしたものではありませんが。
10人痛みのある人がいたら10人の原因はばらばらでしょう。

ここではよく日本とアメリカの医師を全て同じように論じてますが本当に同じなのでしょうか?
都合のよいところだけアメリカのアメリカのと書いているようにも見えますよ。
それと人工関節しても正座できるものはできますし、痛みを取るだけで正座できるわけじゃないですよね?
「なぜか思い込みからぬけだせないのです。」とありますが、ここの内容も充分思いこみが強いように思えます。どちらが正しい正しくないではなくて。
Commented by junk_2004jp at 2005-05-13 17:29
膝の痛みは筋筋膜痛と滑膜炎に分けることができると思います。両方が合併していることもあります。筋筋膜痛が圧倒的に多いように思います。
それと軟骨の変性との関係は不明です。圧痛点をブロックしてよく動くようにするとすぐに治ってしまうことが多いです。

軟骨がいたんでいるからだといってむりをしないように、正座をしないようにというとますます悪くなることがあります。

滑膜炎は炎症性サイトカインが何らかの機序で放出されておこるのでしょう。

いずれにしても痛みと軟骨の変性とのあいだに比例関係はないと思っています。

そうですね、私も思い込みかもしれませんが、患者さんにとって、軟骨が悪いから痛いのだと思いこんでいるお医者さんにみてもらうよりよっぽど治りがいいですよ^^。


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