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心療整形外科

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2017年 12月 06日

痛み疾患の診断と鑑定

診断  diagnosis  医師 

鑑定  judgment 裁判長 

そもそも医師は診断をしているのであって、鑑定をしているのではない。

鑑定に協力してもらいたいのなら、時間も料金もそれなりに必要だ。

特に「痛み」は「体験 experience」と定義されている。

他のことで例をあげてみよう。

患者:「いじめられてから、眠りが浅くなった」

医師:診断 「睡眠障害」

鑑定:「いじめ」が「睡眠障害」の原因といえるか。

痛みの診断は

まず、痛みを伴うことのある特異的な疾患(悪性腫瘍、感染症、リウマチ系、痛風系)の除外診断をする。

次に

⑴ 組織損傷を伴った痛み

⑵ 組織損傷があるように表現される痛み(組織損傷は長くても約3ヶ月で治癒すると思われるのでそれ以上続く痛み)

⑴or⑵を診断して、それで終わりです。

⑴ならば、組織損傷の治療+痛みの治療

⑵ならば、痛みの治療だけ

組織損傷の治癒とは、元どおりに修復される必要はない。例えば、肉離れで元どおりに修復されず、凹んでいても痛みがないことが多い。断端が閉鎖した状態。

⑵の痛みの治療のキーポイントは

傾聴・共感・受容・支持・保障

「なるほど、そうですか」で始まるわけだ。

「そんなはずがないでしょ」ではうまくいかない。

他人が体験したことを治療しようというわけですから。

整形外科医のもっとも苦手とするところです。こういうことが苦手だから、整形外科を選択したのですから。

外傷が加わったとき身構えたか、不意をつかれたか、恐怖はどれぐらいだったか、体のどこに力が入ったか、外傷後不安は、外傷後の加害者側の対応に納得しているか。持病はあるか。その痛みがその外傷が原因だと主張している理由は。

このような聞き取りをして総合的に鑑定するのだろう。



by junk_2004jp | 2017-12-06 01:26


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