千葉市療育センター整形外科,千葉大学整形外科 1997 / 12抄録 日本疼痛学会
椎間板ヘルニアによる根性下肢痛は本質的には「筋痛」であり「皮膚痛」としての要素は少ないと思われた。
10年前の古い文献ですが筋痛だといってます。厳密に書くと「椎間板ヘルニアによるあの根性下肢痛と言われている痛みは本質的に「筋痛」である。」になるべきです。
椎間板ヘルニアが下肢痛を起こしているのではないのです。
外力が加われば
椎体(骨)が強ければ椎間板ヘルニアが生じ、椎体(骨)が弱ければ圧迫骨折が生じます。
「いつのまにか骨折」というコマーシャルがありますが、同じように「いつのまにかヘルニア」はありえます。
ヘルニアが神経を圧迫してあの痛みが生じているという生理学はありません。
筋痛が下肢まで広がったのです。
脊柱管狭窄症も同じことがいえます。
脊柱管狭窄の場合は老化やすべり症による変化で健常高齢者にも普通にみられます。
筋痛だということを理解して早期に筋痛の治療をすべきです。
「神経が圧迫されて・・・根性坐骨神経痛」という間違った概念を捨て去るべきです。
症例
Aさん(近県在住)は今年の夏、腰の椎間板ヘルニアで手術のため入院の予定でした。
入院前日に入院中読書のため本屋にいきました。
そこで偶然に私の著書「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」をみつけ、入院手術を取りやめ、当院に通院されました。
先日、すっかりよくなったと喜ばれていらっしゃいました。
私の著書は2009年1月発行ですので、もう9年近く前になります。
最近は本屋で見かけることはまずありません。
何かに引き寄せられて目にしたのでしょう。