2018年 01月 13日
2013年9月11日のブログをもう一度 これはアメリカのことで日本のことではありません。 医療費の最大3分の1が不要な検査や治療に充てられている。金額にすると年間5000億ドルだ。 膨れ上がる無駄リスト 目的は医療費の抑制だけではない。医師の処置には、医療過誤や副作用のリスクが常につきまとう。例えばCTスキャンを行っただけでも、発癌率は高まる。 臨床試験の結果を無視 スミスのチームは、腰痛患者を対象としたX線やMRI(磁気共鳴映像法)検査も問題視している。 腰痛には無関係な異常を見つけるだけに終わることが多いためだ。 40歳以上の成人の8割には、腰の部分に膨らみなどの変形が見られる。医師は手術したくなるが、これは痛みの原因ではない。こうした「異常」がCTやMRIに現れても、腰痛と結び付けることにはほとんど意味がない。 大半の腰痛は筋肉の緊張などによるものだから、画像では原因は分からない。たとえ手術をしても、その効果は市販薬や連動や体を休めることとほとんど変わらず、手術だけは大きな危険を伴う。 腰痛は6週間もすれば、たいてい消える。だが患者は早く治したがり、医師や放射線技師には患者に早く治したいと思ってほしい金銭的動機がある。「腰痛の発症から6週間以内にMRI検査を行うのは、意味がないばかりか、手術件数と治療とコストを増やすだけだ」と、麻酔科医で北米脊椎学会会長のレイ・べーカーはいう。 プロディの提案に「拍手を送りたい」と言うべーカーは、ほかに脊椎専門医の大きな収入源になっている不要な処置があると考えてぃる。医療研究品質局によれば、07年には少なくとも35万1000 件の脊椎固定術が実施され、費用は総額262億ドルに上った。 脊椎固定術は、骨折や腫瘍が原因で痛みが起こる一部のケースを除けば、治療効果は期待できない。 だが金銭的には大きな魅力があると、シャノン・プラウンリーは07 年の著書「過剰治療」で指摘している。脊椎固定術は1回7万50 00ドルも取れるので、医療機器メーカーや病院、外科医はやめるわけにはいかない。 「私たち医師は、何かを正当化するのが得意中の得意だ」と、プロディは言う。「患者にとって最善 の治療法が、いつの間にか医師に最大の利益をもたらすものと重なっている」 プロディは、膝の変形性関節症の関節鏡視下手術も不要だと考えている。04年のある研究によれば、この手術が運動機能を回復させ、病みを軽減する効果は、偽手術と同程度でしかなかった。 たとえ効果があったとしても、それは患者が効果を信じ切っていることから起こるプラシーボ(偽薬)効果でしかない。それでも整形外科医は、約6000ドルを請求できるこの手術を今も続けている。 臨床試験の結果を無視する医師はほかにもいる。アメリカでは脊椎を固めるために脊骨に針でセメントを注入する椎体形成術が年に約17万件行われている(費用は1件5000ドル前後)。 だがニューイングランド・ジャーナル・オプ・メデイスンに昨年発表された2件の研究によればこの手術が病みと機能障害を緩和する効果は、偽手術(麻酔と切開は行うがセメントは注入しない) と同程度にすぎない。 外科医側は、この手術を受けた患者には痛みが消えたと感謝されていると反論する。しかし「偽手術を受けたグループにも「奇跡の同復」を遂げた患者はいた」と、研究の1つを率いたメイョー・クリニックのデービッド・コールメスは言う。 患者も望む不要な処置 不要な処置を減らすのは、もちろん簡単ではない。医師が行うことには、必ず理由がある。厄介なのは、その理由が時には金銭的なもの、あるいは法的なもの(医療過誤による訴訟を避けたいなど)だということだ。
by junk_2004jp
| 2018-01-13 03:17
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