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心療整形外科

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2018年 02月 20日

タウン情報誌「Clubism(月刊クラビズム」3月号に紹介されました。

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「お医者さんの話を聞きたい」
腰痛の原因は筋肉!TPBで悪循環を解消

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手術ではなく麻酔注射で痛みを取る「TPB」とは

編集 加茂先生はヘルニアや脊柱管狭窄症など、様々な痛みを手術ではなく、トリガーポイントブロック(以下省略TPB)という方法で治療されていますね。そもそもTPBとは何ですか?

加茂 トリガーポイントとは痛みの引き金となる場所=発痛点のことです。本人が実際に痛みを感じている部位から離れている場合があり医師が手で圧迫しながら探し出します。そして、そこに局所麻酔を行い、痛みをブロックする。これがTPBです。

編集 麻酔は一時的な痛み止めにすぎないのでは?

加茂 麻酔は一時的ですが、筋肉を解すことで慢性的な痛みを軽減できます。TPBによって運動神経をブロックして筋肉のこわばりを取り、知覚神経をブロックして脳への痛みの伝達を止める。また、交感神経をブロックして血流を改善します。痛みの悪循環を麻酔で一旦遮断することで慢性痛の治癒へと導きます。

編集 麻酔の注射を打つのは少し怖い気もしますが・・・。

加茂 美容整形用の極細の針を使用しますので、麻酔時の痛みはほとんどありませんよ。

腰・肩・膝の痛みの原因は骨ではなく筋肉にある

加茂 一般的な整形外科医院では骨折や靭帯断裂など、組織損傷をレントゲンやMRIで見つけて、痛みの原因としていました。私は悪性腫瘍やリウマチ、感染症等の特異的疾患を除く、ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断された痛みには、過度のレントゲンやMRIは不要だと思っこともています。

編集 ですが、実際にレントゲンやMRIで骨や軟骨の異常が見つかることもありますよね?

加茂 人間の体は年齢と供に変化して、骨が変形するのが普通なのです。骨に棘状の変形が生じるケースは40代で半数以上、60代で9割の人に発生していますが、実際にそれで痛みが生じているかというと別問題です。

編集 骨の老化は痛みと無関係ということなのですね。

加茂 背中の大きく曲がった老人でもお元気な人はたくさんいるでしょう?あと、神経が圧迫されたことが痛みの原因というお医者さんがいまだにいらっしゃいますが、神経は圧迫されたぐらいでは何もおこりません。強く締め付けると痛みではなく痛みではなく麻痺が起こります。またよく聞く「軟骨のすり減り」もそうですが、それは痛みの要因ではなく、体の老化状態を指すだけで、痛みの根本原因なわけではありません。大切なのは今ある痛みをどう取り除くかでしょう?病名を聞いて湿布を出されて様子見では患者さんは報われませんよ。

筋肉の緊張をほぐして、痛みの連鎖を断ち切る

編集 骨や軟骨の状態が痛みの直接の原因ではないとすると、ヘルニアや膝の痛みはどのように生じているのですか?

加茂 簡単に言うと筋肉のこわばりからくる痙攣(スパズム)です。筋肉の痛みといっても運動後に疲労がたまる一過性のものではありません。怪我や過度の運動、姿勢のゆがみなどのせいで筋肉が緊張した状態が続くと、その部分の痛覚が非常に過敏になります。すると痛みが生じます。その痛みがストレスとなり、さらに緊張状態を生みます。そうして痛みがどんどん煽られて慢性痛になるのです。

編集 悪循環ですね・・・。

加茂 先ほども言いましたが、その悪循環を一時的に取り除くと、痛みのストレスが軽減します。神経には可塑性があり、麻酔が切れると痛みはぶり返すので、薬や運動、認知行動療法などで気長に痛みの回路を修繕してやる必要があります。

編集 やはり慢性痛の治療には時間がかかるのですね。

加茂 痛みの治療は神経の可塑性との戦いですので早く開始するほど、完治までの時間も短くなります。痛みを我慢せずせず、とにかく早く痛みを止める、悪循環を断ち切ることが大切です。

編集 なるほど。ちなみに普段の生活で腰痛や肩こり、膝痛を予防するために、やっておいたほうが良いことはありますか?

加茂 適度な運動ですね。痛いからと安静にするのはかえってよくありません。筋肉は鍛えるのではなく、とにかく解すことに重点を置いて下さい。1回10秒間を毎日3回ほど、圧痛点(押すと痛い場所)を刺激すると良いでしょう。また、ストレスは体に不要な力を入れさせるとともに、今感じている痛みを強くします。日常的なストレスを上手に解消することも、慢性痛を回避するためには不可欠ですよ。




by junk_2004jp | 2018-02-20 20:21


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