人気ブログランキング | 話題のタグを見る

心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ
2019年 06月 19日

いまだに腰痛の解剖学的発生部位を探している研究者もいますが、そのような研究はおそらく役に立たないだろうという意見が大半です。

私のHPのトップより下記の抄録が読むことができます。

腰痛の手術は除圧と固定ですが、どちらも科学的根拠、統計学的根拠はありません。

手術によりプラシーボ効果は期待できますが(儀式的効果)、再発することが多い。手術という外傷の痛みが加わってより複雑な痛みになることがある。

研究チームは、東京都板橋区と和歌山県日高川町の50歳以上の住民計2000人以上を対象に、関節をX線で撮影するなどして調べた。変形性膝関節症と診断されたのは男性54%、女性75%、変形性腰椎症は男性81%、女性68%に上った。このうち痛みがある人は、男性の2~3割、女性の約4割にとどまった。(毎日新聞 2006年6月12日 20時12分)
いまだに腰痛の解剖学的発生部位を探している研究者もいますが、そのような研究はおそらく役に立たないだろうという意見が大半です。_b0052170_13511657.jpg
いまだに腰痛の解剖学的発生部位を探している研究者もいますが、そのような研究はおそらく役に立たないだろうという意見が大半です。_b0052170_13513909.jpg


医学界全体の腰痛に対する広範な意識改革が必要である。(FILE248)

腰痛に屈するな :オーストラリアで行われた独創的なマルチメディアキャンペーンは、腰痛に対する一般社会と医学界の態度を転換できることを示している。ビクトリア州における広報キャンペーンは、腰痛についての単刀直入な明確なメッセージを伝え、驚くほどの効果を上げた。(FILE170)

腰痛に対する態度の根本的な改革がなされるまでには、長い過程を要することとなるだろう。(FILE98)  

病態生理に関する事実無根の概念を患者に押しつけ、治療に携わる医師の私的見解を患者に披露する複雑な治療行為の1要素である。患者はこれらの診断によって永遠に変えられるが、良いほうに変えられることはあまりにも少ないと博士は主張した。(FILE166)

脊柱管狭窄のために除圧手術を受けた患者を7~10年後に追跡調査したところ、1/4の患者が再手術を受け、1/3が重度の腰痛を訴え、半数以上が2ブロック程度の距離も歩けないことが明らかになった。(FILE121)

臥床安静の推奨の減少、可能な限りの画像検査の削減, 医療関係者に変化するよう説得(FILE89)

誤った思いこみの修正という方法を組み合わせることで、腰痛はうまく治療できるという確信が高まりつつある。この種のコンセンサスは5年前には存在しておらず、これは、研究および医療方針の進歩への大きな一歩を反映したものであり、それは同時に、科学的証拠が蓄積されつつあることをも反映している。(FILE89)

いまだに腰痛の解剖学的発生部位を探している研究者もいますが、そのような研究はおそらく役に立たないだろうという意見が大半です。(FILE89)

過去百年間の腰痛にまつわる話題のほとんどは、実のところ整形外科的な理解および治療の話です。解剖的損傷を探すこと、そしてそれを治す方法を見つけようとしてきました。これは、非常に機械的な(mechanical)治療方法であり、多くの問題点を無視しています。そして実際のところ、この方法は効果がありませんでした。・・・かつての生物医学的腰痛モデルがプライマリーケアの段階において失敗であったことが、概ね判明している(FILE89)

医師による忠告が、腰痛、その病因、治療および予後について非現実的で有害な考えを助長していることがしばしばある・・(FILE185)

正常な脊髄後根を牽引しても痛くない(FILE134)

過去50年間の主な腰痛予防戦略は完全な失敗だという。(FILE141)

専門外科医への早期紹介を減らすことを推奨した。・・・非生産的な診療方法をやめるよう、医師を説得する一番良い方法は何だろうか。(FILE210)

腰痛の考え方を変えて、その影響を軽減(FILE204 FILE205)      

医師らは時代遅れの考え方に固執している? 伝統的な医学的仮説は完全に一蹴された。(FILE147)

欠陥のある時代遅れの損傷べースのモデルの 代わりに なる、腰痛および腰痛管理の状況に応じた、生物心理社会的モデルの作 成において重要な役割を果たした。(FILE218)

この種の病態に対する適正な手術の適応について、ますます謎が深まった。(FILE139)

皆さんは患者の態度や意識変革によって活動障害を回復させることができますが、それは皆さん自身が可能であるという信念と態度を持ったときにだけ叶うものです(FILE235)

「60年間,我々は“腰部損傷”という概念とともに生きてきました。それはあまりにも欠陥が多く,もはや正当化することはできません。その上,医原性なのです。我々にこれ以上の研究は必要なく,この概念はもはや有用性を失っています」。(FILE276)

職場における身体的因子が腰痛および他の一般的な筋・骨格系障害の最も有力な原因であるという、すでに時代遅れになった科学的仮説を蘇らせようとしている。しかし、今や、この時代遅れの仮説を捨てて、明らかとなった科学的データと合致する新しい解釈へと移行する時であろう。(FILE287)

20世紀のほとんどの期間にわたり、医療の主流にいた医師らは、腰痛患者に、疼痛を引き起こした活動を中止し、疼痛 が消失するまで休息するようアドバイ スした。このストラテジーは、有効性が 一度も証明されたことがなく、今日の西洋社会における腰痛による活動障害の重大危機を引き起こす原因となった。 (FILE287)

それは腰痛教室で誤ったメッセージを患者に伝えたためなのだろうか?”とノルウェーの研究者は疑問を投げかけている。過去の多くの腰痛教室は、腰痛の伝統的な捉え方にどっぷり浸かっていた。(FILE304)

腰痛に関するもう一つの伝統的な仮説も、ここで絡んでくるだろう。時代遅れになった、成人の腰痛の“損傷モデル”の中心的見解の一つに、腰痛は職場等における身体的負荷および身体的暴露が主な原因であるというものがあった。(FILE336)

この研究は脊椎治療に関する中心的仮定(訳者注:誰もが疑がっていない合意事項)に異議を申し立て、専門医が治療方法を大きく変えるよう勧めている。(FILE281)

我々の腰痛に対する認識が今、根本的な修正を迫られている。その背景にあるのは、高齢社会の到来、医療費の高騰、「不適切な医療」の存在、患者意識の向上、そして支払い側の危機感である。(FILE371)

頸椎固定術が椎間板切除術単独より優れていることを示した無作為対照比較研究がないばかりでなく、頸椎椎間板切除術が保存療法より優れていることを示した無作為研究もありません」と、Nachemson博士は述べている。(FILE327)

他の因子を無視して脊椎の構造的な異常にのみこだわる医師は、そのことによって患者を危険にさらしているのだと示唆する。(FILE386)

それらの医師は腰痛を急性損傷と解釈し、患者に数日間、数週間そして数ヶ月間の臥床安静を命じ、他のいい加減な治療法や考え方を患者に無理強いした。彼らは活動に対する恐怖、再損傷に対する恐怖、そして身体的ストレスや労働に対する恐怖を植え付けた。この分野は長い道のりをたどってきたのである。・・・過去10年間における腰痛研究の進展によって達成された特筆すべき成果は、慢性腰痛についての伝統的な見方が覆されたことであった。・・・厄介な慢性腰痛の説明に大きな変化が起きている。 従来の重症慢性腰痛の生物医学的見解は多くの場合、脊椎の個々の病理学的変化や非連続に起きる脊椎症状の集合が、健康状態および行動面の問題によって複雑 化したものであった。・・・腰痛の正確な見方は、ほとんどの医療機関、企業、行政機関、および障害補償や杜会保障制度にまだ浸透していない。(FILE388)

腰痛予防に関する誤解は現代文化に広く深く根を下ろしている。(FILE389)

1ドルの教育パンフレットが他より $200~$300安い費用で同様の長期 結果を示したという事実は、最低ラインを見ているマネージドケアの管理者にとって説得力があることを示した。(FILE395)

腰痛疾患の性質に関する根本的な誤解が存在するのではないだろうか。(FILE409)

オーストラリアのビクトリア州のキャンペーンが、一般の人々および医療関係者の腰痛の捉え方を変化させることに成功したことを指摘した。(FILE411)

この割合は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。・・以前この手術(ヘルニア手術)を熱烈に支持していたマイアミ大学は、今ではこの手術をやめて、厳密なリハビリテーションのプログラムを採用している。(FILE417)

ノルウェーの研究では、集中的な運動療法と行動療法の両方を行った。患者には、現代医療に依然として浸透している腰痛に対する慎重な対処法を気にしないよう指導した。 患者には腰を痛めることを心配しないように指示した。通常の活動を再開しても脊椎には全く害がないことを患者に説明した。そして、自由に腰を動かすこと、 すなわち、前屈みになったり重い物を持ったり、自然にかなったやり方で腰を使うよう奨励した。被験者はこれらの指示を強化するための漸進的な運動療法と集 団療法に参加した。(FILE412)

椎間板ヘルニアではビデオを見た患者はパンフレットを読んだ患者よりも手術の実施率が31%低かったのです。さらに手術の実施率が低かったにもかかわらず、ビデオ群の治療成績は、パンフレット群とまったく同じでした(FILE282)

現代社会の腰痛に対するアプローチを依然として支配している流行遅れの「損傷モデル」についても論じている。(FILE423)

多くの研究者は、損傷モデル自体が欠陥のある時代遅れの考え方だと信じている。ほとんどの腰痛は、特定の損傷組織に原因があるわけではない。・・・・・・・・・・・脊椎は非常に強力な適応性のある構造をしている。(FILE427)

臥床安静は、ほとんどの疾患の医学において、治療法としてはおおむね見捨てられている。多くの点で、治療としての臥床安静は、過ぎ去った時代の遺物である。臥床安静は、腰痛および坐骨神経痛の治療法としては徐々にすたれていくだろうと予測する人もいることだろう。(FILE100)

最近の欧州のエビデンスに基づくガイドラインは、脊椎固定術を非特異的慢性腰痛の治療に用いるのは例外とすべきだと提唱している。(FILE449)

運動がもたらす効果に関しては意外とも言えるエビデンスが得られている。約200例を対象とした研究から,疼痛持続期間と継続的就労不能期間は安静臥床群で最も長いという結果が示されたのである。 (FILE457)

説得力のある科学的エビデンスによ って、損傷モデルを支持する人々の考え方の誤りが指摘されている。しかし長年抱いてきた腰痛に対する考え方を変えさせ、ベテランの臨床医の診療を 改めさせることは、いらいらするほど時間のかかる大仕事である。(FILE459)

いくつか国々では損傷モデルからゆっくりと脱却している。しかし米国 では今も腰痛に関する時代遅れの考え 方から抜け出せずにいる。先へ進むべき時である。(FILE460)

中間報告によると、認知行動療法に割り当てられた患者は、段階的運動または併用療法を行った患者と同等の良い結果であった。(FILE482)

これらの結論から次のことがいえる。画像診断の解釈にはいたるところに落とし穴があり、少なくともある症例においては脊椎の異常所見はまったく偶然見つかったもので、痛みの原因ではないということだ。さらに,たとえ最高の画像診断機器を使ったとしても、筋肉のけいれんや靭帯の損傷を診断することはできない。これらは痛みの原因となりうるし、これらが原因で腰痛になった人は必ずいるだろう。(FILE485)

博士の主張によれば、通常は、腰痛の評価と治療が患者の腰痛問題への対処を手助けする手掛りになることはない。それどころか、たいていは、病理学的異常を探すための見当違 いの検査や、腰痛の因果関係に関するまだ証 明されていない理論の押し付けに力が注がれる。患者は多くの場合、有効性の明らかでな い治療を受けた挙句、自分には将来さらに問 題を引き起こす可能性のある基礎疾患があるという感情を抱く結果になる。(FILE489)

身体的負荷が椎間板の健康に悪影響を及ぼすどころか、むしろ健康を増進することに気づいた。(FILE494)

医師はその腰痛を、新たな所見と推定されるMRI上の構造的異常、すなわち線維輪の断裂、椎間板の突出、終板の変化に起因していると推測することが、ままある。その結果、推定された病因の治療につながる手順が実行に移される。しかしこの診断過程は大抵無駄な骨折りになる。(FILE500)

腰痛治療で腰椎固定術を選択した労災補償請求中の被験者725例のうち、驚くことに64%は術後1年以上経過しても依然として休職中であった。復職して1年間継続して働いていた被験者は6%しかいなかった。(FILE503)

腰推固定術は現在米国で行われる全ての脊椎手術の約50%を占めるが、これらの手術を支持する科学的または臨床的エビデンスは得られていない。(FILE506)

”椎間板に起因する疼痛”を診断カテゴリーとすることの妥当性について疑問を呈した。(FILE507)

多くの患者と外科医が抱く、大きな椎間板へルニアを切除しなければ破減的な神経学的症状の結果を招くことになるであろうとの懸念は、全くの杞憂である」。Carragee博士は、「手術を受けるか受けないかの選択はつまるところ患者の好みの問題になる」と述べている。(FILE510)

Turk博士は、慢性腰痛の治療において、手術、オピオイド、神経ブロック、脊髄電気刺激法および植え込み型薬剤注入システムといった広く行われている腰痛治療は心理療法を含むリハビリテーションプログラムよりも費用がかかり、効果は小さいことが多いと指摘している。(FILE511)

新規研究において脊椎固定術を選択した (大部分は “椎間板に起因する” 腰痛のため) 1,950例の活動障害のある労働者のうち、固定術の2年後に63.9% は就労できない状態にあり、 22%は再手術を受け、 12%は重大な術後合併症を有していた。(FILE512)

固定術は認知行動療法を取り入れた体系化されたリハビリテーションプログラムよりは有効性が低いと考えられる。(FILE518)

リフティング設備の有無にかかわらず、背部痛あるいはその結果としての身体機能障害の予防法として、仕事技術のアドバイスやトレーニングを支持するエビデンスは存在しない。(FILE519)

これらの結果は、慢性疼痛が脳機能全面に広く影響を与えることを明示している。そして、DMNの崩壊が慢性疼痛に伴う認知および行動障害の根底となっている事を示唆している。(FILE521)

恐怖、過度の関心、および不安といった心理社会的因子は、疼痛障害を誘発、悪化させる (FILE522)

今回の研究から得られた経験によれば、そういった介入は人間工学的な問題や安全面の問題の解決に留まらず、職場における心理社会的問題の解決にもつながる(FILE524)


by junk_2004jp | 2019-06-19 13:53 | 慢性痛


<< 専門医が慢性痛を作っている!      不安を煽る医師たち(このままで... >>