2005年 06月 22日

急性痛も慢性痛も同じ理論の線上

慢性痛は脳の痛みの回路が可塑的変化を起こし、あたかもギアがロックされたような状態です。身体には(たとえば腰)全く構造的異常はありません。脳の極一部の回路が不具合状態にロックされてしまっているのです。老化変性を構造的異常ととらえるべきではありません。

なんとかロックがはずれてオートマチックギアの状態にもどればいいのです。そのためには、まずは気づくことです。

心の力がそれを可能にすると昨日お話したシュウォーツ先生はおっしゃっています。私もそのように思っています。

心が脳を変えられるという信念です。心はどこにあるのかという議論は哲学的で興味はありますが、心が脳を変えられると信じることです。洗脳とはそういう現象なのでしょう。他人に洗脳されるということは危険ですが、自分で痛みの回路のところだけを洗脳する分には迷惑も費用も副作用もかからないのでやってみることです。

脳に作用する薬剤は抗不安薬、抗うつ薬です。それを利用するかしないかは個々の状態に応じて考えるべきです。それがロックがはずれるきっかけになるのなら安いものです。

生じた痛みがブレイン・ロックを起こすのか起こさないのか、起こすとすればどれくらいの期間でか?不安傾向の人、完全主義の人はブレイン・ロックを起こしやすいようには思いますが・・・・。また医師の説明のいかんにもよることでしょう。

慢性痛は痛みそのものが治療の対象です。ということは急性痛もそういうことです。ただし、痛みを伴う疾患として例外的に鑑別しなければいけないのは、感染症、明らかな損傷(骨折、肉離れ、腱や靱帯の損傷)、悪性腫瘍があります。これらも、損傷と痛み、感染と痛み、悪性腫瘍と痛みはそれぞれ別々に考えて治療すべきです。原疾患が治っても痛みが続くことがあるからです。

急性痛は局所麻酔と消炎鎮痛剤、慢性痛は抗不安薬と抗うつ薬が武器となります。
慢性痛の治療に成功するということは「私は○○をしてブレイン・ロックを解除することに成功した。」ということです。
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by junk_2004jp | 2005-06-22 17:11 | 慢性痛 | Comments(12)
Commented by 真柴 at 2005-06-22 17:35 x
私も抗不安剤、抗鬱剤を試した方がいいのかな?
Commented by junk_2004jp at 2005-06-22 20:20
ためしてみないと分からないです。試すのなら抗うつ薬でしょうか。
Commented by 真柴 at 2005-06-22 20:32 x
そうですよね。以前抗鬱剤を飲んでた時期もありましたがその時はあんまり効果もなかったのですが、薬は種類も多い事ですし、副作用が酷ければその時また考えればいいし、効くかどうかはやってみないとわかりませんしね。それに手術等とは違って薬は試して損する治療でもないですしね。
Commented by elly at 2005-06-22 22:37 x
真柴様、真柴様はどこがどういう風に痛いのか、よく存じ上げないのですが、お薬を試してみて効くといいですね。
不思議と、あれも相性があって、同じSSRIでも、私はパキシルは聞くけれど、プロザックは全然だめでした。足がむずむずして、夜一睡も出来なくて、知覚異常で死ぬ思いをしましたし、SNRIはエフェクサーはよかったのにトレドミンはだめでした。これは珍しがられました。トレドミンは副作用が少ないお薬だということなので。。。。
本当は、もう2,3種類日本でも新薬が認可されるといいな、と思っています。
Commented by 真柴 at 2005-06-22 23:19 x
>足がむずむずして、夜一睡も出来なくて、知覚異常で死ぬ思いをしました

ww

薬も色々あるんですねww
ほとんどできる治療はやり尽したのでここ半年くらいは放置状態です。治療疲れですww今となっては病院行くのも少し気疲れがあります。医者が痛みをどの程度理解してるのかw大佐のメソッドや加茂整形はその点気楽ですけどね。
Commented by chokoring at 2005-06-23 10:55 x
chokoringです。
加茂先生、この内容、とても分かりやすい説明ですね。
薬を処方する上では、心身症か神経症かの線引きは重要なのですね。
私としては医療機関へいかに上手に繋ぐかが現在の課題です。
エリーさん、先日はコメント、ありがとうございました。
エリーさんのHPもときどき見せていただいていますよ。
一日も早く慢性痛の治療が一般的になることを心より、願っています。
Commented by junk_2004jp at 2005-06-23 12:47
>薬を処方する上では、心身症か神経症かの線引きは重要なのですね。

というよりか、治療効果のいいわけとでもいいましょうか・・・・。心身症は身体の病気ですから、身体を入り口として介入することによって、よい治療成績がえられます。

いっぽう神経症は思考のくせというかブレイン回路のロックというか、・・・脳に大きな責任があるので、身体に介入しても心身症ほどいい効果は期待できるわけではないですね。

そういうことで一応、説明上、線引きをしているのです。
Commented by elly_mylove at 2005-06-23 13:06
先生、先日、先生は私のこと、うつというより不安系では??とおっしゃっていただいたんですが、私って不安系でもないような気がするんです。
性格的に。どっちかっていうと、大胆なんです。。。
柳澤桂子さんの著書に、長く慢性疼痛に苦しんでいるのに、お医者さんにどうしてあなたはそんなに明るいんですか、と聞かれて
性格が明るいのは生まれつきだ。。。と独白される箇所があるんですが、
どうも、私も、自分は完ぺき主義でもなければ、鬱っぽくもなくて、不安系でもない気がします。

Commented by elly_mylove at 2005-06-23 13:06
外傷がきっかけの場合、最初の鎮痛が不十分で不必要な痛みを長く抱えてしまうと、性格的にはそういう典型的なタイプでなくても、思考の癖みたいなものは普段あまりなくても、ブレインロックがかかってしまうケースってあるのかなあ。。。と考えたりしているんですが。
(私の場合、最初の怪我を、まさか、そんな事くらいでそんな大怪我はしませんよ、と小さく見積もられて、十分な痛み止めは出なかったんです。
シップくらいで飲み薬も満足に出なくて、それまでずっと健康だったので自分でも薬なんて飲んではいけないような気がしていました。思っていたより大きな怪我だった、とわかったのは事故のずっと後のレントゲンでしたから。)
そんなことってないですか?
Commented by junk_2004jp at 2005-06-23 14:26
どのような事故で、レントゲンはどのようになっていたのでしょうか?
Commented by elly at 2005-06-23 15:34 x
ごめんなさい。。。それはちょっとネットではお話できないんです。
家庭内暴力とか、そんなではないですよ。明確に事故なんですが。
Commented by keisyan at 2005-06-23 16:27
ellyさんこんにちは。

>性格的にはそういう典型的なタイプでなくても、思考の癖みたいなものは普段あまりなくても、ブレインロックがかかってしまうケースってあるのかなあ

私は慢性痛の人はほとんどがこれに陥っているように思います。ちょっとしたキッカケで鍵がかかってしまう。自分でかけたのだから、自分で外せるはずと思っているのですが、強い痛みに負けそうになるときもしばしば^_^;


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