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心療整形外科

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2005年 08月 29日

急性痛の治療は必要か

直ちに鎮痛すべきである。診断は痛み以外からでもできるし、患者の協力が必要である。

痛みはいかなる時も速かに止めること。医療では完壁よりも急を尊ぶ場合が多い。

痛みからの解放は人間としての権利である

一方、急性痛はほとんどが自然治癒するから、医師が積極的に身体的な介入はひかえたほうがよいと主張する人もいる。
この考え方の相違は生活の都合や個人的な信条なので、意見の一致は期待できないでしょう。

医師の介入は痛みを長引かせるという意見もあるが、どうなんだろうか。
急性痛と慢性痛の線引きはどのようにしたらいいのだろうか?

私は可能な限り安全で確実な方法、恐怖のない方法で痛みをとってやるべきだと思っている。それは圧痛点ブロック(トリガーポイントブロック)がすぐれている。理由は痛みの生理学的メカニズム、薬理作用から考えてのことです。また、長年の臨床経験からもそのように思っています。

一方、顎、頚、腰、膝などに慢性の痛みをもっている人がおおぜいいるのも事実です。慢性痛に対して、万人に共通な有効な治療法がありません。

慢性痛の陰に筋・筋膜痛・ トリガーポイント療法が奏効

慢性痛の治療にも圧痛点ブロックはためしてみる価値はあると思います。
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本日の症例:40歳代、男性、先ほど、物をもった拍子に腰が痛くなる。立つことが困難なので、車椅子でくる。今までに腰が痛くなったことはない。腰、上臀部の4つの圧痛点に計12mlの局所麻酔を注射する。楽になり、歩いて帰ることができた。

付き添いで来られた方、2年前に当院で膝の治療(水がたまる)したそうで、よく運動をするようにしてから、今は全く痛くないとのことでした。私は全く忘れて、顔も思い出せないですが。
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60歳代、女性、本年2月にぎっくり腰で1日来院している。今回、2日前に軽いぎっくり腰、腰の痛みが引いたら、左下肢が痛くなる。膝を曲げていないと痛みがつよい。下肢の圧痛点ブロックをする。3日後、腰や膝を伸ばして歩かれるようになる。圧痛点は大腿部のみとなる。3日後、ほぼ治癒する。
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いずれも急性痛の症例ですが、いずれ治るといってしまえばその通りですが、不必要な痛みをすみやかに止めてやり、痛みのメカニズムを説明し、不安をとってやることが肝要だと思います。



by junk_2004jp | 2005-08-29 17:16 | 症例


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