2005年 11月 09日

あるヘルニア患者さん

Aさんは6月ごろより、右臀部~下肢にかけて痛みがあります。MRIの結果、ヘルニアがあり、消炎鎮痛剤を飲んでいます。それでよくならなければ手術をすすめられています。

親のすすめで当院を受診しました。前医との説明が大きく違うのでとまどっているようです。

「足親指の背屈力の低下は、麻痺のはじまりと言われたのですが・・・」
検査したところ、私には正常に思えました。

「それでは、ヘルニアで下肢が麻痺になった人を見たり聞いたりしたことがありますか?私はありません。知り合いの人、歴史上の人でいるでしょうか?筋力低下は筋痛のためなのです。腕の筋肉が痛いと握力は低下します。それと同じことで、いわゆる神経麻痺の症状ではありませんよ。」

前医は総合病院の脊椎の専門医だそうで、また私は脊椎の専門医ではないし小さな医院なので、どちらの意見が正しいか気になっています。

「下肢痛を脊椎の専門医が診るという最初のボタンの掛け違いがあるのですよ。脊椎の専門医は、脊椎の腫瘍や、骨折、脊髄や末梢神経の圧迫症状(麻痺)が、出番なのです。これはめったにあることではないのですが、脊椎脊髄専門医は絶対に必要ですね。」

このことをAさんは前医に言いました。前医は「おしっこが出なくなった人を見たことがある。手術をするかしないかは、あなたが決めることです。」とおっしゃったそうです。

Aさんの愁訴は痛みなのです。将来おきるかもしれない膀胱直腸障害(馬尾症候群)ではありません。議論がすり替えられてしまった感じです。

馬尾症候群を心配してヘルニアの手術をすすめるのはいかがなものでしょうか?

とにかく、痛みと麻痺がごっちゃになって、理論的にすじの通った説明がされません。

もし仮に足親指の背屈力の低下を麻痺と判断するのなら、消炎鎮痛剤の投与などをせずに直ちに手術をすすめるべきだと思うのです。馬尾症候群がそうでしょ、消炎鎮痛剤を投与して様子をみるということはないのです。


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by junk_2004jp | 2005-11-09 13:18 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)
Commented by elly_mylove at 2005-11-09 20:30
首を怪我してしばらくしたとき、まるでコンクリートで固められたようにひどい緊張をして動かせなくなったんですね。
加茂先生は、ヘルニアから来る神経根症状はありえない、と首尾一貫しておっしゃっているのですが、仮にもし、ヘルニアが原因とされる痛みが、神経根症状ではなくて、ヘルニアから来る筋肉の異常な緊張からもたらされた痛み。。だったとしたら、ヘルニアは結局痛い。。という結論に同意されますか?
むち打ちになるとどうして首が固まるの?と質問したら、頚椎は大事なところだから、怪我したら安静に保つように脳が命令して、動かせないように筋肉でロックしているんだよ。でも、そのロックは怪我が治ってもうまくはずれないことが多いから、早くから少しずつ動かしたほうがいい。とオーストラリアのPTに教わったんですね。
ヘルニアを一種の怪我というか、病気と捉えたとして、筋肉がロックしてしまった結果、筋痛を起こしている。。なら、ヘルニアがきっかけで痛い。と思ってはいけないですか?
一応ヘルニア経験者として、まったくヘルニアは痛みに潔白である、とどうしても信じられないんです。


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