心療整形外科

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2005年 11月 16日

「サーノ博士のヒーリングバックペイン」から

b0052170_11133474.gifサーノ博士のヒーリングバックペインはお薦めの本です。ほとんどの筋骨格系の痛みは心身症であるという視点から、分かりやすく説明しています。このような考え方は、心身医学では古くから知られていることです。

しかし、どのように考えたらよいか迷う点がいくつかあります。サーノ博士の本は1991年に書かれたものですから、それからいろいろと分かってきたこともあると思うのです。

まずは、P161「慢性疼痛の治療」の章で、慢性疼痛という概念に反対していらっしゃいます。
一方、P106「心理療法」の章ではTMS患者の95%は治療プログラムだけで改善するはずだが、心理療法の助けを必要とする患者もいる。としています。

慢性的な痛みが、サーノ博士のプログラムで治癒するのなら、こんなに喜ばしいことはありません。しかし、そうもいかないのが現実です。慢性痛に悩んでいる人は多いものです。TMSを勉強し実践しても必ずしも治るわけではないので、そのとき、私は5%の中に属し、特殊な心理療法の助けが必要なのかと思ってしまいます。

だからといってTMSの考え方が間違っているというのではありません。TMS的手法は認知行動療法なのですが、これは痛みの治療(特に慢性痛)の中心になるべきです。

慢性痛にたいして研究が進んでいます。基礎医学では、痛みが長く続くと神経系にいろいろと変化が起こってくることが分かってきました。そして、可能なかぎり早く除痛するほうがよいという意見があります。

私はやはり、「慢性痛」という病態があると思っています。臨床的にも、早期の痛みは比較的簡単に治るものです。
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by junk_2004jp | 2005-11-16 12:12 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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