2005年 11月 30日

原因不明?

昨日、話題にした読売新聞の記事より

「原因が特定できる腰痛は15%未満」と欧州の診療ガイドラインは明記する。腰痛はありふれた症状ながら、実はよくわかっていない。

原因が特定できる腰痛というと、圧迫骨折や棘突起骨折などの椎体の骨折、悪性腫瘍、感染症が考えられるがそれが15%近くもあるのだろうか?

私のところの20数年の経験では、感染症は0、悪性腫瘍は2例(見逃しがあるかもしれない)、圧迫骨折は、骨粗鬆症によるものも含めて、かなりみられますが、15%もあるとは思えない。

原因が特定できる腰痛=特異的な腰痛=specificな腰痛=感染症、悪性腫瘍、明らかな外傷(骨折)

と理解している。それはほとんどが圧迫骨折で腰痛全体の数%もないと思えるのだが・・・。ヨーロッパガイドラインの15%ちかくという数字の根拠は何なのだろうか。

原因不明この言い方はとても曖昧で、意味がよくわかりません。ほとんどの腰痛(あるいは坐骨神経痛と言われている痛みも含めて)は筋・筋膜性疼痛でその原因は心理・社会的な因子の関与ということが分かってきているのでそれを「原因不明」という表現をしてよいものだろうか?

原因不明という言葉は、患者さんに不安感をあたえるし、適切な対策もとれませんね。ここはひとつ、心理・社会的な原因による筋・筋膜性疼痛症候群ということで明確にしたほうがいいのではないでしょうか。
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by junk_2004jp | 2005-11-30 10:21 | 痛みの生理学 | Comments(2)
Commented by c-dunk at 2005-11-30 14:18
functional somatic syndromeっていうのは、腰痛ではあまり使わないのですか?機能的といってもピンとこないところもありますが。
Commented by junk_2004jp at 2005-11-30 15:44
こんな言葉はほとんど知らないと思うよ。
functionalの意味が難しいですね。ソフト、ハードといったほうが分かりやすいかもしれません。


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