2006年 03月 16日

プラシーボ(プラセボ)とノーシーボ(ノセボ)

代替治療で良くなると「プラセボ!プラセボ!」という医師にかぎってDr.ノセボのことが多いものです。痛みが治るということは感染症や急性外傷を除いて、脳の沈静化ですから、医師の治療でも代替治療でもプラセボを抜きにはかたれません。一方、医学研究はプラセボを排除しようとすることが多いものです。その結果、気づかないうちに、ノセボになってしまうことがあるのです。ノセボ(ノーシーボ)とは根拠のない呪いの言葉です。たとえば「変形しているから痛いのだ。」「神経が押さえられているから痛いのだ。」などがそうです。ではどうしたら治るのかの回答は?「変形を治さない限り、圧迫を取り除かない限り痛みは治らない。」というノセボを暗に含んでいるのです。

国際疼痛学会の痛みの定義(1986)(私のHPのトップページ参照)は精神科医 Harold Merskey を座長とするグループによって作られました。痛み問題の座長は精神科医なのです。痛みとは整形外科(構造)とは次元の違った問題なのです。

有名なお話を掲載します。

http://junk2004jp.web.fc2.com/13.html
思い込むとやけどする

ニューヨークのコロンビア大学医学部のハーバート・スピーゲルが実験したことだ。彼はイマジネーションを利用する実験で、米国陸軍のある伍長を被験者にした。彼は、この伍長に催眠術をかけて催眠状態にしたうえで、その額にアイロンで触れる、と宣言した。しかし、実際には、アイロンのかわりに鉛筆の先端で、この伍長の額に触れただけだった。

その瞬間、伍長は、「熱い!」と叫んだ。そして、その額には、みるみるうちに火ぶくれができ、かさぶたができた。数日後にそのかさぶたは取れ、やけどは治った。この実験は、その後四回くり返され、いつもまったく同じ結果が得られた。

さて、五度目の実験の時には、状況はやや違っていた。この時には伍長の上官が実験に同席していて、この実験の信頼性を疑うような言葉をいろいろ発していた。被験者に迷いや疑惑を生じさせる状況のもとでおこなわれたこの時の実験では、もはや伍長にやけどの症状が現れることはなかった。

スピーゲルは、健康や病気、また、病気からの回復にはさまざまな要因が影響をおよぼし合うと考えている。生理的、心理的、そして社会的な諸要因が相互に関係をもちながら、わたしたちの内部で働いていると言っているのだ。プラシーボ効果を理解するためには、心と体、そしてその両者の関係を促進したり制限したりする第三の要因としての環境状況を考えにいれる必要がある。そして、これら三者を結びつけ活性化するものとして、著者は、言葉のもつ重要性に着目したいと思う。

「心の潜在力プラシーボ効果」 広瀬弘忠 より

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by junk_2004jp | 2006-03-16 12:09 | 痛みの生理学 | Comments(5)
Commented at 2006-03-16 20:39 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by junk_2004jp at 2006-03-17 04:09
はじめまして。ブログみてきました。辛いことがありましたね。
Commented by sansetu at 2006-03-17 10:15
私は加茂先生のサイトのおかげで、それ以前よりも、自分の治療とその言葉に「力」を持つことができたと確信しています。特に病院でヘルニアと診断されて来る患者さんの治癒率に関して顕著に反映しています。
表面的な治療技術そのものは大して変わっていないのに、結果に差が大きく出るようになったのは、信念を持って治療できるようになったからです。それ以前の私は学校で習った矛盾に心を縛られていましたから、治るも八卦、治らぬも八卦状態だったわけです。
治療者が盲信や思い込みではない、学的な信念を持って治療することで「治療者の言動の質が変化」し、その「変化」はそのまま患者側の「脳沈静化」に大きく影響します。これが同じ薬を処方しても、また同じツボに鍼をしても、治療者によって結果に差の出る、一つの重要な要素であると思います。
Commented by junk_2004jp at 2006-03-17 11:45
腰痛治療従事者側の態度がこのプログラムの成功の鍵を握ると指摘する。「皆さんは患者の態度や意識変革によって活動障害を回復させることができますが、それは皆さん自身が可能であるという信念と態度を持ったときにだけ叶うものです。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_343.htm
Commented by sansetu at 2006-03-17 15:06
リンク読みました。日本でもこういう試験が積極的に行なわれ、論文が飛び交うように早くなってほしいものです。


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