2006年 04月 09日

手術せず治りました

ヘルニアで麻痺???
色々な病院に行きましたが、もう手術しかないと言われています。これが最後と思い、脊髄専門医がいる「****病院」に行きましたが、「しびれは手術しても取れないと思ってください。元巨人監督の長嶋さんの様に一度潰れてしまった神経は元には戻りません。痛みがとれればいいでしょ」と言われてとてもショックを受けました。

10年ほど前1度ヘルニアの手術をしています。今回は2度目です。入院をして約3Wで治りました。痛みやしびれはありません。階段を駆けて昇降できます。神経根ブロック、硬膜外ブロックはしていません。

特殊な治療はしていません。私が診察したかぎりでは神経脱落症状(ー)、痛みは、臀部、下肢に強い圧痛点があり、筋硬結を触れ、トリガーポイントを押すと関連痛が誘発されるので、その部分の「筋・筋膜痛=恐怖のmyo-pain」と判断しました。異所性発火ならこれらが見られることはないはずです。

しびれはもちろん、トリガーポイント症状です。

ヘルニアに対する治療をしたのではありません。「筋・筋膜性疼痛症候群」に対する治療をしたのです。

それは、筋に焦点を置いた治療(トリガーポイントブロック、ストレッチ、マッサージ等)、心理・社会的な問題に関しては読書療法、認知行動療法です。

●ヘルニアと痛み、しびれの関係
ゲート・コントロール理論で有名な痛みの生理学者Patrick Wallはその著書で「ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。」と言っています。

痛みやしびれがヘルニアと関係があるとするならば、圧迫にせよ炎症にせよ異所性発火ということになります。それでは、患者さんに必ずみられる「強い圧痛点、、トリガーポイントを押すと誘発される関連痛」が説明できません。これらは筋・筋膜性疼痛症候群の特徴です。

ヘルニアがあっても無症候の人はかなりの数存在する。症例のように筋肉に焦点を合わせた治療でよくなってしまう。

これらのことから、ヘルニアと痛みやしびれは限りなく無関係というべきです。

●ヘルニアと麻痺の関係(頚椎のヘルニアによる脊髄マヒ、馬尾症候群は除く)
ヘルニアガイドラインの第5章予後では「一般に、腰椎椎間板ヘルニアの手術適応は急性の膀胱直腸障害を呈した場合を除き、進行する神経脱落症状が認められる場合、Lasegue徴侯などの神経緊張徴侯が強陽性で重篤な神経脱落症状を伴う場合、手術以外の保存療法が無効であった場合であるとされている。」

私はヘルニアによって神経脱落症状(神経麻痺)を呈した症例の経験がない。しかし、やはりガイドラインに記載してあるようにあるのかもしれない。

神経麻痺と誤解されている筋力低下は筋硬結、筋短縮のせいで、ストレッチや筋力トレーニングですみやかに回復するものと思っている。

Patrick Wallも「ヘルニアが運動神経を切断して運動麻痺を生じることが証明されたように思われていたが、痛みがあると中枢性の効果によって筋肉が消耗するので、今では疑わしい。 」といっている。

しかし、やはり麻痺がわずかではあるがあるのかもしれない。そうなら、ヘルニアは絞扼性神経障害に含めるべきだ。

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by junk_2004jp | 2006-04-09 17:02 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(8)
Commented by おーちー at 2006-04-09 18:20 x
>(中略)一度潰れてしまった神経は元には戻りません。

これについて質問です。
「馬尾神経」がヘルニアで圧迫されていて、膀胱直腸障害があったのをしばらくの間放っておいた方がいたとします。
この場合も、“神経”は元通りに回復するのでしょうか?それとも“神経”に障害を残してしまうのでしょうか?
Commented by junk_2004jp at 2006-04-09 18:33
私は馬尾症候群をみた経験がありません。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_213.htm

ここを参考にしてください。緊急手術が必要とのことです。圧迫を早期に除去しないと永久的な麻痺が残るということだと思います。

この患者さんは膀胱直腸障害はありませんでした。
Commented by おーちー at 2006-04-09 19:01 x
その論文の解釈では、
馬尾症候群に限っては、神経が元通りにならないこともあるんですね。
それにしてもなぜ馬尾神経に限っては、そのようなことが起こるんだろう。
Commented by junk_2004jp at 2006-04-09 19:07
私はどの神経の圧迫も早期に除去しないといけないと思います。

血腫による麻痺  http://junk2004.exblog.jp/2311558/

Commented by 浪速の鍼灸師 at 2006-04-10 21:24 x
先生のサイトでは、いつも勉強させて頂いております。
私の調べ方が悪いのか、どうしても分からないことがあるので
この度、質問させて頂きます。
馬尾症候群(馬尾神経の圧迫)により、運動麻痺、知覚麻痺、膀胱直腸障害がみられるのは理解できるのですが、腰下肢痛が出るのは何故なのでしょうか?
この場合は、異所性発火による神経因性疼痛という解釈でよろしいのでしょうか?
お手隙の時で結構なので、御回答をよろしくお願い申し上げます。
Commented by junk_2004jp at 2006-04-10 21:54
こんにちは。私のサイトを見て下さってありがとうございます。下肢痛は異所性発火、神経因性疼痛ではありませんね。

筋筋膜性疼痛だと思っています。下肢にも圧痛点やトリガーポイントがあります。関連痛もあります。
Commented by 浪速の鍼灸師 at 2006-04-11 07:23 x
早速の御回答ありがとうございました。
馬尾神経症状と下肢痛は別の病態だということですね。
先生のサイトのおかげで、鍼灸師として痛みに苦しむ人々と共に前向きに取り組んでいくことができ、非常に感謝しております。
周囲からの反発も強いかと思われますが、情報発信を続けて行かれることを陰ながら応援させて頂きます。
Commented by junk_2004jp at 2006-04-11 07:56
馬尾症候群は神経が絞扼された状態で神経脱落症状というのだろうと思います。早急に外科的に開放してやらないといけません。脊椎専門医にお願いするほかありません。

下肢痛は「痛み」であって「麻痺」ではありませんので、またしばしば麻痺だといわれている筋力低下やしびれ感や知覚異常はトリガーポイント症状と理解すべきだろうと思います。その証拠に緊急手術の適応ではありませんね。症例のように、治癒することができます。

恐怖の筋痛症に対する研究が日本では極端に少ないと思います。筋硬結を検索してもほとんどが代替治療のサイトです。

contraction knots で検索すると膨大な情報がありますが、英文なのでなかなかよみこなせません(^^;)。でも図はみるとわかっていいですね。


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