心療整形外科

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2006年 05月 03日

腰~下肢痛の診断は何に従うべきか

筋筋膜痛症候群の診断基準 (Simons,1990)
●大基準
・局所的な疼痛の訴え
・筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感
・触れやすい筋肉での索状硬結の触知
・索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在
・測定可能な部位では、可動域のある程度の制限

●小基準
・圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する
・圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで得られる局所的ひきつり反応
・筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する

診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用
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他医にて「椎間板ヘルニア」という診断を受けた患者さんを何人も診てきた。そのすべての患者さんは「筋筋膜性疼痛症候群」の診断基準を満たしたのでそのように診断した。

一方、「椎間板ヘルニアの診断基準?」は今のところ世界的な共通したものはない。日本整形外科学会が世界に先駆けて「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会提唱の診断基準」を発表した。

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会提唱の診断基準
1.腰・下肢痛を有する(主に片側,ないしは片側優位)
2.安静時にも症状を有する
3.SLRテストは70°以下陽性(ただし高齢者では絶対条件ではない)
4.MRlなど画像所見で椎間板の突出がみられ,脊柱管狭窄所見を合併していない
5.症状と画像所見とが一致する


「症状と画像所見とが一致する」の症状とは何をさすのか?麻痺なのか、痛みやしびれのことなのか不明。麻痺だとすると、本当にそのような神経原性麻痺が存在するのか、私はそのような症例を見たり聞いたりしたことがない。症状とは痛みやしびれのことだとすると、このような自覚症状(experience )が画像所見と一致するというのは医学的にはナンセンスである。

SLRテストの生理学的な意味はなになのか?正常な神経線維を牽引しても痛みは生じない。

このように、「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会提唱の診断基準」は私には納得できない点があるし、これが一般に定着しているわけではない。

筋筋膜痛症候群の診断基準 (Simons,1990)に従って診断し治療するのが妥当だと思う。
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by junk_2004jp | 2006-05-03 18:32 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)


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