2006年 05月 07日

3Wの認知行動療法に100万円!

海外の臨床研究で効果が実証されていても、国内で広く普及していないものはいくつかある。慢性腰痛に対する認知行動療法や運動療法は効果が実証されているが、わが国では少なくとも熱心には行われていない。医療は施されるものであり、運動指導などは付加的なものであって医療費のかかるものではないという考えが一般の方の中に根強くあるからではなかろうか。

米国で広く行われている慢性腰痛に対する認知行動療法は、3週間の入院プログラムに対して100万円以上の費用がかかる。診察の後にプログラムの適応と判断されれば入院となるわけだが、教育を受けて運動療法を行うという、いわば合宿のような治療に100万円以上の治療費がかかるというのは,わが国の常識では考えにくい。特にわが国の保険医療制度の中では、診察、指導、教育という部分には低い報酬しか支払われていない。米国では侵襲的治療のコストがあまりにも膨張し、その抑制策の1つとして認知行動療法が必要になったという側面があった。幸いわが国では、あまり問題となっては来なかったが、今後この方面をどのようにしていくべきか議論される時期が来ようとしているのではないだろうか。

痛みに対する医学的治療の概要:柴田政彦(市立芦屋病院麻酔科);理学療法Vol.23No.12006

Cognitive Behavior Therapy(認知行動療法)をGoogleで検索すると1120万件あります。

3Wで100万!高いか安いか?医療者も患者も真剣になります。日本ではちょっと無理でしょうね、この値段は。ある程度高額なほうがいいのでしょうが。たとえば禁煙をするにしてもそうです。

厚労省は痛みに対して、あまり積極的ではないです。「ヘルニアガイドライン」に予算をつけるのなら、痛みに対して予算をつけるべきです。

慢性腰痛も慢性下肢痛も同じ理屈です。人間の体を分割したところで理屈が変わるわけではありません。

どんな慢性疼痛も急性の時があったはずです。なぜ慢性化にいたるのか、慢性化を防ぐにはどうしたらよいのか。医者が慢性化に一役かっていないか?

慢性化したものには「認知行動療法」・・・認知のゆがみを正して動くことにより痛みを克服する。

MRIやレントゲンは悪性腫瘍、感染症、骨折といった特異な疾患の鑑別の意味しかないのです。

保険点数は検査に偏っているので、医療機関は生存していくうえでそれは欠かせないのです。それでヘルニアだの椎間板変性だのすべり症だのという診断をされて認知がゆがんでいくわけです。

認知がゆがんで慢性化したものに対してこんどはオペが行われるのです。オペの保険点数以上を認知行動療法につけるべきだと思いませんか。
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by junk_2004jp | 2006-05-07 04:37 | 慢性痛 | Comments(1)
Commented by elly at 2006-05-08 23:18 x
オーストラリアでもそうでしたけれど、米国でも慢性痛の何割かは労災だったり、事故だったりしますので、その費用の一部は健保からではなくて損保から支払われると思います。米国はほかの治療もものすごく高いので、まあ、財源もあるとすれば妥当というか、マシかも・・と思ったりします。私の記憶では100万よりは高かったような・・。
ほとんどの人が社会復帰するので、コストパフォーマンスはいいみたいですよ。
認知行動療法には、保険点数をつけるべきだと思います。
正しくできるお医者様に対しては、というただし書きがつきますが・・。

ところで、英語でよくinformというと、患者さんにいろいろと医師がアドバイスすることを指すのですけど、和訳は、指導とか教育とかになってしまうんですよね。informにあたる日本語って適当なのがないような気がするんですけど、指導とか教育っていう単語は、私はなんだかすごい上下関係を感じて好きじゃないんです。
使われる医療者側には、抵抗はないんでしょうか・・。


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