2006年 06月 18日

洋の東西を問わず整形外科医は筋肉に関心を示さないものだ

Aさん(30歳代、男性)は7年前より、ぎっくり腰を繰り返していて、かなり強い腰痛が続いています。腰はこわばっていて日常生活動作が困難な状態です。

最初に診た整形外科医は軽いヘルニアだという説明だったようです。その後MRIでヘルニアはないことが分かりましたが、高度の骨粗鬆症があるとのことでその薬を飲んでいます。

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図のようなかなり強い圧痛点(ジャンプサイン)がありました。

左右の脊柱起立筋(最長筋、腰腸肋筋)と腸腰筋の筋筋膜性疼痛症候群と診断しました。私は骨粗鬆症はないと思います。

「今まで診てもらった医師は圧痛点を調べましたか?」
「いいえ、背骨の上をたたく検査と脚をあげる検査は受けたことはありますが・・・」

医師は画像診断には熱心ですが、痛む筋肉には無頓着なことが多いものです。医師の受けた伝統的な教育に問題があるのでしょう。


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Bさん(30歳代、女性)昨年末より時々右臀部に痛みがありましたが本年初め起床時に急に痛みが強くなりました。MRIの結果、大きなヘルニアがみつかりましたが、いずれ消えるだろうから手術はしなくてもよいとの説明をうけました。

しかし痛みはなかなか治らず、休職しています。体は痛みのため大きく歪んでいます(疼痛性側彎)。右脚体重で立つことが困難です。

右の梨状筋と大腿二頭筋長頭の筋筋膜性疼痛症候群と診断しました。圧痛点をブロックすると右脚体重で起立が可能となりました。

AさんもBさんも慢性化した筋筋膜性疼痛症候群です。ヘルニアの有無は治療法に影響はありません。

圧痛点に介入(トリガーブロック、マッサージ、指圧、鍼灸など)とストレッチ、認知行動療法です。

筋肉はすぐに癖がついてしまうものです。そして、痛い筋肉が広がっていくものです。ところが整形外科医はなぜか伝統的に筋肉に関心をよせないものなのです。

AさんもBさんも初期に適切な介入をしてやれば、もっと簡単に治っていた可能性はあると思います。

整形外科医よ、もっと痛む筋肉をさわってください。そしてその筋肉に今なにが生じているのか想像してみてください。その今起きている生理学的なトラブルを解消するにはどうしたらよいのかちょっと考えてみてください。

米英の腰痛ガイドラインなんて何の役にもたちません。

「腰痛の本当の原因が解明されていない」「効果的な治療法が存在しない」「「非特異的腰痛」というのは、腰椎部、仙骨部、臀部、大腿部の痛みを訴える場合です。」「「神経根症状」というのは、腰痛よりも下肢痛(片側)のほうが強く、膝から下あるいはつま先まで痛みが放散したり、しびれや知覚異常、筋力低下を伴う場合です。」


こんなばかげたことをいっているまにどんどん筋痛症が進んでいき難治になってしまうものです。所詮、米英のガイドラインにしても伝統的な整形外科医によってつくられたものですから。

Aさん、Bさん、その後の経過をご連絡くださいね。
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by junk_2004jp | 2006-06-18 02:08 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)
Commented by tetsuya at 2006-06-23 21:29 x

加茂先生のように、「トリガーポイントと筋筋膜療法」や「ID触診術」を参考にしている医師はとても少ないのでは?

徒手療法家は熱心に読んでいる人が多いのです。だから話が合わない場合が多いのです。

痛み系においては、筋肉の障害についてもっと注目し研究しなければならないと思います。


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