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心療整形外科

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2006年 06月 21日

ヘルニアの診断ってなになの?

http://www.spa-ortho.com/library/gen2.htm

While much has been learned about the causes, diagnosis, and treatment of myofascial pain, its still poorly understood by many in the medical community, Dr. Karges said. It is not unusual, for example, to see a patient diagnosed as having a heriated disc in the lower back, only to find out it's actually myofascial pain syndrome.

「筋筋膜性疼痛の原因、診断、治療について多くのことを学ぶことができるようになりました。しかし、依然として医学界では「筋筋膜性疼痛」に関する知識が十分に行き渡っているとは到底いえない状況です。

たとえば、腰椎椎間板ヘルニアと診断された患者が、単に活動性の筋筋膜性疼痛症候群であったというようなケースは決して珍しくありません。」とKarges博士はいいました。
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私は椎間板ヘルニアと診断された人を診る機会が多いのですが、「筋筋膜性疼痛症候群の診断基準」を参考に診断するとすべての人が、「腰筋や臀筋や下肢筋の筋筋膜性疼痛症候群」でした。そしてそれに従って治療すればよくなるのです。ただし、不安やうつ状態でも筋筋膜性疼痛症候群が生じますから、その場合はそちらの治療を合わせ行わなければならないことがあります。

ヘルニアの診断基準は存在しません。ヘルニアがあるという事実ですから診断基準も何も「禿げている」といっているのと同じことで、痛みの診断にはならないのです。痛みとヘルニアの因果関係を説明できないのです。

ヘルニアのガイドラインも世界には存在しないと思います。日本で昨年だったか、世界ではじめての「ヘルニアのガイドライン」が作られましたが、生理学的にも言葉の定義の上でも納得いくものではなく、到底診療で使えるものではないと思います。

つまり、ヘルニアと診断するのは、事実をいっているのみで、痛みやしびれの診断にはなっていないのです。

だから、医師の説明には疑問が多いし矛盾もあるし不安でしょ。たとえば「麻痺に陥るかもしれない」といっておきながら「神経根ブロック」をするわけです。私には理解できません。麻痺するかもしれないといっている神経に局所麻酔を打つなんて!

筋筋膜痛症候群の診断基準 (Simons,1990)

●大基準

*局所的な疼痛の訴え
*筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感
*触れやすい筋肉での索状硬結の触知
*索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在
*測定可能な部位では、可動域のある程度の制限

●小基準

*圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する
*圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで得られる局所的ひきつり反応
*筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する

診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用


by junk_2004jp | 2006-06-21 15:31 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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