2006年 07月 05日

可塑性に対して可塑性

神経の「可塑性」を逆に積極利用せよ!!!

慢性痛症で起こっている神経系の歪みの広がりを食い止め、回復させるには、神経系を正常に戻すために新しい可塑性を作る努力(学習)が必要である。

現在、世界的に、慢性痛症に対する医療施設として学際的痛みセンターの有効性が明らかになっている。理学療法、心理療法などの薬物以外での治療法を学際的に組み合わせたものである。

その治療の目標は、痛みの除去ではなく、痛みがあってもQOLを保って日常生活をできることにある。日常生活を営むにあたって、身体を動かすことができるかどうかが大きな問題である。痛みがある場合には、痛みに対する二次性の反応として防御姿勢をとり続け、正常の筋活動が制限される。そのまま放置すれば、筋はその状態で拘縮を起こし、不用性の萎縮に陥り、運動制限はますます増強される。

この状態は、二次性に起こった筋の可塑的な変容であり、障害性のものである。このような運動器における負の可塑性に対して、適切な筋への徒手療法と運動療法の積み上げを心理的な行動療法と組み合わせて行うことは、運動中枢活動を含めた正の可塑性を引き出すと考えられる。

可塑的に歪んでしまっている系を新たな正の可塑性を作り上げることで、正常に近い状態に戻していくことは可能であろう。

「痛みのケア」慢性痛、がん性疼痛へのアプローチ
監修・編集 熊澤孝朗(愛知医科大学医学部痛み学寄附講座教授・名古屋大学名誉教授)

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by junk_2004jp | 2006-07-05 17:04 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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