心療整形外科

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2006年 08月 26日

Na(ナトリウム)チャンネル

http://www.aist.go.jp/ETL/jp/gen-info/news/etl-news/pdf/1998/news9-150.pdf#search='Na%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB'
我々は車を運転している時でも、スポーツをしている時でも、目から入っている情報に対して数ミリ秒単位の反応を頻繁に行っている。それを可能にしているのが、神経細胞に存在するチャンネルである。

このチャンネルは細長い形状の神経細胞の細胞膜中に存在している。細胞を取り囲む細胞膜は通常イオンなどの親水的な物質を通さない。それに対してチャンネルは親水的な物質を通す働きがある。特にイオンチャンネルは電荷を帯びた特定のイオンのみを通す。

時には、急激に一種類のイオンのみを通すことで細胞膜の興奮状態を引き起こす。これは、通常我々が神経が興奮していると呼んでいる状態である。特に電圧感受性イオンチャンネルは隣が開くと自分自身も開くという性質がある。そのことでの細長い神経細胞上において次から次へと刺激を伝達する。これが、人間の神経での情報伝達である。その速度が十分に早いため、痛みや感覚はあっという間に脳に伝わり、さらにそこからの素早い反応が可能になる。この機構により人間の神経における情報伝達は、電気回路上の電流に例えられ、あたかも電気を伝える電線の様に働いている印象を受ける。しかし、実際には、これまでに述べたように、興奮が細胞の外から内へのプラスイオンの流れという形で伝わって行くのである。

そのため、後に述べるような短期的な情報(記憶)の蓄積が可能となる。電圧感受性イオンチャンネルの隣が開くと自分自身が開くという機構は、実際には近くのチャンネルが開いたことによる正イオンの流入による膜の内外の電位差、即ち電圧を感受することにより行う。この時の開く速度はマイクロ秒の世界である。実際には、次から次へと情報は押し寄せて来るのであるから、当然、一度開いた電圧感受性Naチャンネルは直ちに閉じて前の状機に戻り次の刺激に備えなければならない。これも速やかに起こり、一度開いたチャンネルは1ミリ秒後には閉じる。さらには近年の研究から、この電圧感受性チャンネルは、もっと高度な神経の活動に関与しており、記憶の機構と考えられる神経の可塑性と深い関わりを持つことがUSAのカンデル等によって判明してきた。

少なくとも神経組織が比較的単純な生物の短期的な記憶に関しては、電圧感受性イオンチャンネルのリン酸化がその実態であることが知られている。ここでリン酸化されたあるグループの電圧感受性Kチャンネルは興奮が来ても開かなくなる。そのため、共に情報伝達に働くNaチャンネルやCaチャンネルとのバランスが取れなくなり、次の神経細胞への情報伝達は過剰になる


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痛みやしびれを感じるということは、Naチャンネルが開いて脱分極が連鎖的に起きているということである。ヘルニアが神経を圧迫するとこのような現象が起きるということは考えられない。

一方、麻痺とは脱分極が起きないということである。
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by junk_2004jp | 2006-08-26 17:29 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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